藤田嗣治の生誕140周年を祝う評伝劇
2026年3月、東京芸術劇場シアターウエストにて、日本人画家、藤田嗣治の評伝劇『藤田嗣治~白い暗闇~』が上演されます。本公演は、彼の生誕140周年を記念した特別な作品で、歴史の狭間で揺れ動く藤田の心の葛藤を描くことを目的としています。
藤田嗣治の画家としての軌跡
藤田嗣治は、1900年代初頭に「乳白色の肌」という独自の技法を発展させ、日本人として初めてパリで成功を収めた画家です。彼は、横浜からパリへと旅立つことで、国境を越えた本物のアートの世界を目指しました。しかし、彼がパリで直面したのは、様々なスタイルが渦巻く混沌とした絵画界でした。特に第一次世界大戦勃発後の不安定な時代には、彼の画風がどのように変化していったのか、多くの観客にとって興味深いテーマとなっています。
物語の概要とテーマ
この評伝劇は、藤田嗣治の2つの異なる時代—パリでの華やかな成功を収めた時期と、帰国後に戦争画を描くことになった時期—を中心に展開されます。特に、「アッツ島玉砕」といった戦争画は、彼の創作活動において大きな転換点となり、その背後にはどのような心理があったのかを明らかにします。作品では、藤田の内面に秘められた苦悩が強調され、戦争とアートの間にある複雑な関係が浮き彫りにされるでしょう。
新演出と出演者
新演出においては、藤田嗣治役に文学座の石橋徹郎氏を迎えます。舞台美術は土岐研一氏によって抽象的なスタイルが施され、衣裳は西原梨恵氏による華やかさの中に重厚感を持たせたデザインとなります。また、戯曲の重要なセリフやシーンにも特にこだわりが見られ、視覚的に訴える演出が期待されています。特に、「お前(藤田嗣治)の戦争画は大衆の自画像だ。」という台詞は、観客に深い感銘を与えることでしょう。
公演詳細
公演は2026年3月19日から24日まで、東京芸術劇場にて行われます。チケットは現在、カンフェティにて販売中で、一般5,000円、U29は3,500円(証明書要)と手頃な料金で提供されています。観客は戦争の記憶とアートの意義について考えさせられる貴重な体験を得ることができるでしょう。
劇団印象について
本劇を制作する劇団印象-indian elephant-は、2003年に設立され、劇作家・演出家の鈴木アツト氏が主宰しています。「遊びは国境を越える」という信念のもと、多様な文化や言語を超えた舞台芸術を創造しています。観劇後、訪れた人々の心情や日常に変化をもたらすことを目指し、迅速に進化する演劇界において常に新しい挑戦を続けています。
この評伝劇に深い興味を抱くすべての人々に、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。藤田嗣治の芸術の魅力とその歴史的背景が一つの舞台で描かれる瞬間をお見逃しなく。