愛媛県松山市が、地域の交流を促進するために、デジタルプラットフォーム「ピアッザ」を導入することを発表しました。このアプリは、 地域住民同士のつながりを深めるための情報交換の場を提供します。特に、松山市は中国・四国地方で初めてこの取り組みを進める自治体として注目されています。松山市は、地域コミュニティの活性化を目指し、PIAZZA株式会社との連携協定を締結し、2025年6月10日から松山市エリアをオープンします。この取り組みの背景には、人口減少やコミュニティの縮小が進む現代社会において、誰もが住みやすく、身近に感じることができる社会の実現が求められています。
松山市は、その実現のために「第7次松山市総合計画」を策定し、人々がつながり合うことを基本にした街づくりを目指しています。“人、まち、仕事がつながる交流拠点『SETOUCHIまつやま』”を将来像に掲げ、地域の企業、住民、団体とともに歩んでいく方針です。PIAZZA株式会社は既に全国73の地方自治体とパートナーシップを締結しており、地域と人をつなぐコミュニティアプリを展開しています。このアプリを通じて、松山市民はお互いにリアルタイムで情報交換を行い、新たな交流を生み出すことが期待されています。さらに、電子回覧板機能を活用することで、町内会や自治会の活動も活性化され、地域の情報共有が簡便化されます。
松山市市長の野志克仁氏は、この取り組みについて「地域密着型コミュニケーションの促進を図りたい」と話し、PIAZZAとの連携を心待ちにしています。一方、PIAZZA株式会社の代表取締役 CEO、矢野晃平氏も「中国・四国地方での初の連携ということで責任を感じています。デジタル技術を活用した地域課題の解決に貢献したい」と意気込みを語りました。この関係性を通じて、松山市内のシニア世代と若年層がつながり、地域貢献ができる機会を創出する狙いがあります。
具体的に、松山市のコミュニティアプリ「ピアッザ」では、専用のタイムラインが6月10日に開設され、住民は自由に情報の投稿や匿名での質問、不要品の譲り合いが可能になります。また、地域の防犯や防災情報を受け取ることができ、自治体からのお知らせも簡単にアクセスできます。これにより、地域の結束力を高めるだけでなく、新たな住民同士のつながりが形成されることが期待されています。
さらに、松山市シルバー人材センターとの連携も注目されています。シルバー人材センターでは、60歳以上の市民に専門的な就業機会を提供しており、これらの会員がPIAZZAの「コミュニティデザイナー」として地域に関与することが計画されています。彼らは、デジタルスキルを持つため、地域コミュニティのデジタル化を支援し、高齢化する町内会や自治会への活用も見込まれています。
このように、松山市は地域のデジタル化を進め、誰もが参加できるコミュニティを築くことを目指しています。松山市民がピアッザを通じて交流し、情報を共有することで、地域社会がより活性化し、誰もが住みやすい環境が整うことが期待されます。