『ひろしま国際建築祭2025』に石上純也氏のキオスクが登場
広島県福山市にて、一般財団法人神原・ツネイシ文化財団の主催により、建築イベント『ひろしま国際建築祭2025』が2025年に開催されます。今回、その祭典の一環として、著名な建築家である石上純也氏によってデザインされた移動型キオスクがJR福山駅前広場に設置されることが発表されました。このキオスクは、建築祭に来る方々に情報を提供する「インフォメーションセンター」としての役割を果たすことに加え、まるで雲のように穏やかな存在感を持つ彫刻的な作品でもあります。
新たな文化発信拠点
この移動型キオスクは、すでに設計が発表されている他の二つのキオスク、堀部安嗣氏と中山英之氏に続くプロジェクトの一部です。JR福山駅南口という立地は、多くの人々が行き交う重要な場所であり、地域の文化を発信する拠点として期待されています。このキオスクは、地域の人々や観光客に対し、建築祭に関する情報や地域の特産品を紹介する場として、活用されていく予定です。
地元企業の支援
このプロジェクトは、地域の企業、常石造船株式会社とツネイシカムテックス株式会社の支援を受けています。常石造船の奥村幸生社長は、地域社会と共に歩むことの重要性を語り、建築祭への協賛を大変光栄に思っているとコメントしています。また、ツネイシカムテックスの神原文雄社長も、持続可能な社会の実現に向けた企業の使命を述べており、今回の建築祭を通じて新たな文化の育成を願っています。
未来の展望
「移動型キオスク—小さな建築プロジェクト」は、ひろしま国際建築祭が3年ごとに開催されることに伴い、次回以降の祭典でも新しいキオスクを追加していく予定です。第2回となる2028年には、さらに多くのキオスクが設置され、2031年には『キオスクマルシェ』と称する、来場者に楽しんでもらえる新たなイベントも検討されています。
建築家からのメッセージ
石上純也氏は『雲がおりる』というテーマで、キオスクの設計意図を語っています。彼の作品は、空から海に舞い降りる雲の優しさを表現しており、訪れる人々に安らぎと温かさを提供することを目的としています。彼は、鋼板を三次元に曲げて溶接することで、独特の形状を持つこのキオスクがまるで船のように立ち上がり、時に自らの居場所を探すかのような感覚を味わわせると述べています。
建築祭は、ただの展示にとどまらず、地域コミュニティとアートが交差する場としての役割を果たしています。多様なプログラムに加えて、建築家や来場者が共に参加できるワークショップも提供されており、子供たちの感性を育む貴重な機会となるでしょう。
結論
『ひろしま国際建築祭2025』は、福山市の地域文化の発信及び育成を目的としたイベントであり、石上純也氏の移動型キオスクはその重要な一歩となります。このキオスクが、地域の人々や観光客にとって快適で親しみやすい情報提供の場となることを期待しています。詳細は公式ホームページにて確認できます。