農林中央金庫、BIPROGYの「BankVision on Azure」を導入し、全国金融機関初のパブリッククラウド環境でのフルバンキングシステム稼働を開始
2024年7月16日、農林中央金庫がBIPROGYが提供するパブリッククラウドを活用したフルバンキングシステム「BankVision on Azure」を導入し、基幹系システムの稼働を開始しました。これは、全国の金融機関において初めてパブリッククラウド環境でのフルバンキングシステム稼働となります。
農林中央金庫は、2020年9月からWindows上で稼働する「BankVision」を利用した基幹系システムの稼働を開始していました。農林水産業の持続的な発展と市場環境の変化に柔軟に対応しながら、顧客ニーズへの対応とシステムコストの削減を目指し、「BankVision on Azure」によるクラウド化を実現しました。
「BankVision on Azure」とは?
「BankVision on Azure」は、BIPROGYが提供する、世界初のWindows上で稼働するオープン勘定系システム「BankVision」を、マイクロソフトのパブリッククラウドプラットフォームであるMicrosoft Azureに移行したものです。
「BankVision on Azure」は、以下の特徴を持っています。
パブリッククラウドであるAzureを稼働基盤として採用
セキュリティと拡張性の向上に加え、基盤更改のコスト抑制を実現。ミッションクリティカルな領域において安定稼働をし続けながら、最新テクノロジーをキャッチアップし、着実に進化し続けています。
柔軟な基盤リソース・料金体系による開発のスピード・自由度向上
基盤リソースの増強においてハードウエアの調達は不要であり、業務量の増加や業務範囲拡張が求められる局面においても柔軟に対応できます。利用料金も従量課金制であることから、リソース増減において効率的な投資対効果を生み出すことができます。また、スピード感・自由度のある環境構築・開発の実施が可能となるため、競争力強化を目的とした迅速な顧客サービスを展開できます。
多彩なサービスとのシームレスな接続を実現
オープン API プラットフォーム「Resonatex」との連携により、セキュアな環境下でのオープン API公開を、低コストかつスピーディーに実現することが可能となり、異業種およびFintech企業などとAPI接続することで先進的なサービスを実現し、金融業の高度化を図ることができます。
安定したシステム運営を支援する多彩なサービスの提供
お客さまのIT ガバナンスを保ちつつ長期的に利用していくために、システムの機能だけではなく、確実に導入や移行するためのプロジェクト運営、内製化に向けた要員教育、運用フェーズでの安定したサービス、さらに制度改正に対するエンハンスサービスを提供します。
今後の取り組み
BIPROGYは、マイナンバーなど法改正に係る安定的なサービス提供に向けた対応と併せて、サイバーセキュリティーやBCP対策の強化、APIのラインアップ拡充など「BankVision」の高度化や機能拡張を進め、お客さまの「攻め」と「守り」のIT戦略実現を支援していきます。これにより、農林中央金庫が目指す農林水産業の発展、環境変化への対応に向けて伴走していきます。
「BankVision」および「BankVision on Azure」の稼働実績
「BankVision」および「BankVision on Azure」は、他ベンダーの勘定系システムからの更改も含めて11金融機関で安定稼働し、銀行基幹システムとして高い安全性、堅牢性を確保しています。
1. 2007年5月稼働 百五銀行(三重県津市)
2. 2010年1月稼働 筑邦銀行(福岡県久留米市)
3. 2010年5月稼働 紀陽銀行(和歌山県和歌山市)⇒2022年10月BankVision on Azureへ移行
4. 2010年5月稼働 佐賀銀行(佐賀県佐賀市)
5. 2011年1月稼働 山梨中央銀行(山梨県甲府市)⇒2023年5月BankVision on Azureへ移行
6. 2011年5月稼働 鹿児島銀行(鹿児島県鹿児島市)
7. 2014年1月稼働 スルガ銀行(静岡県沼津市)
8. 2015年1月稼働 北國銀行(石川県金沢市)⇒2021年5月BankVision on Azureへ移行
9. 2017年5月稼働 大垣共立銀行(岐阜県大垣市)
10. 2020年9月稼働 農林中央金庫(東京都千代田区)⇒2024年7月BankVision on Azureへ移行
11. 2024年5月稼働 西京銀行(山口県周南市)※BankVision on Azure上で稼働