京セラ、PETフィルムのアップサイクル技術を発表
京セラドキュメントソリューションズ株式会社は、まさに革新的な一歩を踏み出しました。彼らは、京セラが製造する積層セラミックチップコンデンサ(MLCC)の生産過程で使用されるPETフィルムを、複合機やプリンターの部品へとアップサイクルする技術を業界で初めて確立したことを発表しました。これにより、従来、廃棄物として処理されていたPETフィルムが新たな資源として生まれ変わるのです。
環境負荷の課題
従来、MLCCの生産工程で使用されたPETフィルムは、CO2を排出しながら焼却処理されていました。この処理方法では、年間約5,500トンものCO2が排出され、環境に大きな負荷をかけていました。京セラグループではこの環境負荷を軽減する方法を模索し、廃棄予定のPETフィルムをリサイクルPET材料に転換する技術を開発しました。これによって、廃棄物を再利用し、環境保護に寄与することを目指しています。
アップサイクルの具体的なアプローチ
今回転用される部品は、複合機やプリンターのトナー充填用ケース(トナーコンテナ)です。この新しいアプローチでは、廃棄されるはずだったPETフィルムを元にしたリサイクル素材を使用することで、環境負荷を減少させることが可能になります。今後は、トナーコンテナ以外にも内部部品や外装部品への展開も計画しており、各製品における再生材使用率を最大50%まで引き上げることを目指しています。
京セラの環境経営
京セラグループは、環境経営において「社会との共生」、「世界との共生」、「自然との共生」の3つを重要視しています。彼らの目標は、エコロジーとエコノミーの調和を図りながら、持続可能な社会の構築に貢献することです。この背景には、世界中で高まっている循環経済(サーキュラーエコノミー)への関心があります。京セラグループでは、廃棄物を資源として捉えて再利用する新しい経済システムを積極的に推進しています。
持続可能な未来に向けて
今回のアップサイクル技術の確立は、京セラグループの環境への取り組みの第一歩です。彼らは単に製品のリサイクルを行うだけでなく、環境保護につながる新しいビジネスモデルを模索し続けています。廃棄物ゼロを目指した取り組みは、他の企業にも波及し、持続可能な社会の形成に一役買うことでしょう。今後の京セラグループの動きから目が離せません。