大阪・関西万博で注目の「3DX木工」技術を持つアーティストリーの挑戦

愛知県春日井市に本拠を置く株式会社アーティストリーが、近年注目を集めているのが「3DX木工」という技術です。この企業は、建築内装業界で幅広い特注製造を行い、木製家具や建築材、さらにはサウナまで、様々なプロジェクトに取り組んでいます。特に、2025年開催予定の大阪・関西万博では、その技術が多数のパビリオンで使用されることが予定されています。

3DX木工とは？

「3DX木工」は、アーティストリーが提案する新しい木工のスタイルで、長年の職人技術に加え、3DCADと5軸CNCなどの最新技術を活用したものです。これにより、非常に複雑で高精度な木工品の制作が可能になります。例えば、万博の「JAPANマルシェ停留所」では、700を超えるアシンメトリーのシェル構造の部分が、3DCADでのモデリングと5軸CNCによる加工を経て完成しました。この作品は、国産材を使用し、持続可能な社会を意識したデザインが施されています。

また、他のバス停と共通する要素として、ボロノイ形状の格子や映像機器も取り入れられ、訪れる人々に新しい視覚的体験を提供します。

残念石トイレプロジェクト

万博でのもう一つの注目プロジェクトが「残念石トイレ」です。このプロジェクトでは、400年前に大坂城の石垣を築くために切り出された、地元で愛着のある「残念石」が使用されています。アーティストリーは、現地での3Dスキャニングを基に、5軸CNCを駆使して高精度な加工を行いました。この取り組みでは、石柱の複雑な形状に合わせるため、ミリ単位での調整が必要でした。設計者の想いも込められ、日本の石工文化を現代に蘇らせる試みとなっています。

3DX木工の重要性

3DX木工が注目を浴びている背景には、脱炭素社会の実現に向けた国産材の利用と、より価値の高い3D表現へのニーズの高まりがあります。特に、分業下請けの多い建設業界において、完全特注の対応ができる企業は稀で、アーティストリーはそのニーズを満たすために尽力しています。職人技術とデジタル技術を融合させることで、豊かな生活空間の実現に貢献しています。

今後の展望

アーティストリーは、DX（デジタルトランスフォーメーション）を取り入れた生産管理や人材育成を通じて、さらなる成長を目指しています。熟練の職人と若手デジタル技術者が協力し合うことで、社会のニーズに応える挑戦を続けています。新しい木工表現に挑戦する仲間を募集中で、興味のある方はぜひ公式ホームページをご覧ください。