新たな省エネ住宅の実証実験
リノベーションプラットフォームのリノベる株式会社は、株式会社リクルートの住まい領域の調査研究機関であるSUUMOリサーチセンターと協力して、ZEH水準にリノベーションした中古マンションの実証実験を行いました。この実験では、室内環境を数値化するためにIoTセンサーが設置され、温熱・音環境などがモニタリングされました。
実証実験の背景
2050年までのカーボンニュートラル社会の実現に向けて、新築住宅の省エネ対策が推進される中、既存住宅の約80%が省エネ基準を満たしていない現状があります。このため、断熱改修が求められています。新築住宅においては2024年4月から省エネ性能ラベルの表示が努力義務化されることになり、生活者の省エネ性能の確認環境が整備されることが期待されています。リノベるは積水化学工業と協業し、ZEH水準の断熱・省エネ性能を備えたリノベーションを推進しています。
日本における住宅選びでは間取りや駅への距離が重視されることが多いですが、実際の住環境については体験しないと分からない部分が多く、住居者からの不満も見受けられます。SUUMOリサーチセンターが行った調査では、暑さや音に対する不満が多く挙げられており、これに応えるための実証実験が進められました。
実験の概要
今回の実証実験では、環境センサーを住戸に設置し、室内外の温度や騒音のデータを遠隔で取得しました。実験は2024年2月9日から11日まで行われ、以下の結果が得られました。
室内の温度
この実証実験では、外気温が3℃以下でも、リノベーションされた住戸の室内温度は16℃以上を維持しており、エアコンなしでも快適な環境が保たれていることが確認されました。特に夜間でも温度変化は僅か0.4℃という保温性の高さが評価されています。
室内の騒音
騒音環境に関しても、室内では環境基準を超えた音量は一度も確認されず、平均騒音レベルは34dBという静かな環境であることがわかりました。最大騒音も40dBで、外部環境に比べて圧倒的に静かです。
省エネ性能の具体的な取り組み
本プロジェクトでのZEH水準リノベーションは、断熱性能や省エネ機器の導入を行ない、「ZEH Oriented」に該当します。具体的には、積水化学の断熱特許工法や高効率エアコンの導入などが挙げられます。これにより、光熱費の削減やエネルギーの効率的な使用も見込まれます。
入居者の声
実際に今回の実証実験の対象となった物件に入居した居住者からは、「エアコンなしで快適に過ごせている」という声が寄せられ、実際に光熱費も約1万円程度と低く抑えられていることが確認されています。このように、省エネリノベーションは快適性だけでなく、経済的な効果も発揮しています。
まとめ
リノベる株式会社は、今後も省エネ性能の高い住居の提供を続け、カーボンニュートラル社会の実現を目指していきます。新たな住宅選びの基準を提供し、快適かつエコな住環境を実現する取り組みが注目されます。