カンヌ国際映画祭の象徴、ティエリー・フレモーの新作
2023年10月10日、株式会社カンゼンがティエリー・フレモーによる著書『黒帯の映画人柔道と映画に捧げた人生』を刊行します。本書は、カンヌ国際映画祭の総代表である著者が自身の人生と柔道、そして映画への情熱について綴った一冊です。
ティエリー・フレモーは、9歳の頃に初めて柔道に触れ、その後黒帯を取得し、柔道の指導者としての道を歩みました。しかし、映画への愛が彼を新たなキャリアに導き、映画界での成功を収めることになります。著者は、柔道がいかに自分の人生に深く根付いていたのか、カンヌ映画祭の代表として世界を回る中で再認識することとなります。
彼の経験は、リヨンの道場からカンヌのレッドカーペットという、一見対極にある二つの舞台を繋ぎます。映画産業という多くの人が関わる世界の中でも、柔道で培った精神性や自己修養の力がどのように作用したのか。フレモーはこの自伝的エッセイを通じて、柔道の歴史や精神、さらに著名な日本の文化人や映画監督との交流も紹介します。
本書では、フレモーが経験した柔道の道場での日々や、映画家としてのキャリアがどのように融合していったのかを探ります。また、柔道家としての嘉納治五郎や、映画界の巨匠である黒澤明、是枝裕和といった日本の監督たちについてのエピソードも織り交ぜながら、彼の情熱を余すことなく描き出しています。
フレモーが自身の人生を通じて体験した“自他共栄の哲学”は、多様な人々との出会いや、柔道と映画の交差する点に新たな気づきを与えるでしょう。映画と柔道、異なるジャンルの中で、彼が尊敬する人々とのエピソードも交えながら、柔道を通じての生き方や価値観がどのように形成されていったのかを深く探求しています。
さらに、柔道の枠を超えた近代日本文化論も展開され、読者は彼の独自の視点から日本文化の奥深さを感じ取ることができます。豊富なエピソードと真摯な言葉で綴られた本書は、柔道を愛する人々のみならず、映画ファンにも深い共感を呼び起こすことでしょう。
柔道の精神と映画の歴史。フレモーの描くこの二つが交錯する中で、読者は著者の人生に秘められた物語の深さと、彼が愛する日本文化への敬意を感じることができるでしょう。映画と柔道の愛好家はもちろん、自らの人生を振り返りたいと思う全ての人々にとって、心を打つ一冊となること間違いありません。
『黒帯の映画人柔道と映画に捧げた人生』は、ティエリー・フレモーの熱い思いが詰まった宝物のような作品です。この機会にぜひ手に取り、その情熱の物語に触れてみてはいかがでしょうか。