清水建設が「Cosense」を導入した理由
清水建設株式会社は、育児や介護といったライフイベントとキャリアを両立させる取り組みを強化しています。その一環として導入されたのが、株式会社Helpfeelが提供するナレッジベース「Helpfeel Cosense」です。このツールの導入により、社員が突発的に休む場合や、産休・育休から復帰する際の業務の引き継ぎがスムーズになることが期待されています。
法改正を背景にした企業の支援ニーズ
これから2025年10月に施行される「育児・介護休業法」の改正により、企業には社員の生活の変化に応じた柔軟な支援が求められることになります。清水建設の施工計画グループは、これに対応するために2019年2月からCosenseを利用し始め、業務の知識を徹底的に整理し、情報の共有と引き継ぎの効率化を進めています。現在では、7,000ページ以上のナレッジが蓄積されています。
チームの柔軟性を高めるための工夫
清水建設の施工計画グループは、少数精鋭かつ女性中心で構成されているため、ライフスタイルの変化に影響されやすいという課題を抱えています。特に、業務に必要なBIMツール(建築情報モデリング)の技術進化に対応するためには、全員が最新情報を共有していることが重要です。そこで、CosenseのようなWiki形式のナレッジ共有ツールが導入されました。これにより、情報の蓄積や管理が格段に容易になり、チーム全体の柔軟性を高めることに成功しています。
実際の導入効果
「Helpfeel Cosense」の導入後、清水建設の施工計画グループでは、以下の具体的な効果が得られています。
1.
ナレッジの効率的な共有: 7,000ページを超えるナレッジが集約されたことにより、情報検索にかかる時間が年間68時間削減されました。これにより、日々の業務効率が格段に向上しました。
2.
業務の引き継ぎが不要に: メンバーが病気や長期休業から復職する際も、Cosense内で業務の進捗や必要な情報が常に最新の状態で共有されているため、引き継ぎ作業が必要なくなりました。これにより、復職時にかかるキャッチアップ時間が年間40時間削減されました。
3.
思考力の向上: 自らの思考をCosenseに記載する習慣が定着したことで、メンバーの論理的思考力が向上し、ビジネスパーソンとしての成長を促しています。
4.
コミュニケーションの効率化: これまで多くのコミュニケーションラインが常に存在していた分、Cosenseがその中核となることで、情報の伝達が効率化され、年間52時間の会議時間の短縮にもつながりました。
まとめ - 変化に強い組織を目指して
清水建設の施工計画グループは、「がんばる禁止」「思いやり禁止」を掲げ、構成要素の柔軟性を助ける仕組みを目指しています。Cosenseはその中心的な役割を果たしており、メンバーはこのツールを通じて必要な情報を得ることができ、業務を円滑に進めることができています。今後もこの知識共有の文化をさらに発展させ、組織の資産としていくことでしょう。