2024年の動画配信市場は5,262億円、成長鈍化のU-NEXT急成長

2024年の動画配信市場は5,262億円に達する見込み

2024年の定額制動画配信（SVOD）サービス市場は、約5,262億円に達すると推定されています。これは前年に比べて4.1%の増加ですが、成長が鈍化していることも明らかです。コロナ禍の影響でホームエンターテイメント需要が急増した過去数年間とは異なり、成長率が10%を下回ってきています。

市場の変遷

ここ数年、動画配信市場は急速に拡大してきました。具体的には、2020年に比べて前年同月比で34.7%の成長を記録した際には、3,222億円にまで達しました。2021年、2022年、2023年と連続して成長を続け、2023年には5,054億円に達しましたが、2024年はついに成長が鈍化し、前年比わずか4.1%の成長となりました。この状況は、競争が厳しさを増していることや、消費者の興味が多様化していることが影響していると考えられます。

Netflixの優位性とU-NEXTの躍進

2024年の市場シェアにおいては、Netflixが21.5%を占め、引き続きシェアトップを維持しています。しかし、3年連続で前年割れを記録しており、顧客の獲得に苦戦している状況が伺えます。対照的に、U-NEXTは17.9%のシェア増加を見せており、前年比で唯一の増加を達成したサービスとなりました。これは、U-NEXTの提供するサービスの多様性や質の向上が評価された結果と考えられます。

その他のサービスの動向

最近では、FODやDMM TV、ABEMAプレミアム等、他のサービスがシェアを拡大しています。これらのサービスは、個々に特色を持つコンテンツを提供しており、消費者の選択肢が広がってきています。動画配信市場全体が成熟期に近づき、今後どのように競争が進むかが注目されます。

市場予測とその意義

GEM Partners株式会社が発表した「動画配信市場5年間予測（2025-2029年）」レポートでは、定額制動画配信市場の動向を詳細に分析しています。また、レンタル型動画配信（TVOD）や動画販売（EST）も含めた市場規模やシェアの推移が盛り込まれており、全体の推計ロジックの確認も可能です。市場予測は、楽観・悲観・ベースの3つのシナリオから展開されています。