wolfSSLがMQTT v5.0対応の軽量クライアントwolfMQTTを発表
組み込み向けネットワークセキュリティソリューションを提供するwolfSSL Inc.(本社:ワシントン州エドモンズ)は、新たにMQTTプロトコルの最新版であるMQTT v5.0に準拠したクライアント「wolfMQTT」をリリースしました。このクライアントは、IoTやM2Mアプリケーションに幅広く利用されており、軽量で高い移植性を誇ります。
MQTTプロトコルの進化とwolfMQTTの特徴
MQTT(Message Queuing Telemetry Transport)は、特にリソースが限られた組み込みデバイスに適した通信プロトコルです。wolfMQTTはC言語でオリジナルから開発され、コンパイル後のサイズはわずか3.6 kBと非常に小さく、商用やオープンソース(GPLv2)ライセンスで利用が可能です。
MQTTは、かつてはTCPプロトコルのみを利用していましたが、wolfMQTTではMQTT v5.0仕様への対応を加えたことで、QoSレベル0〜2をサポートし、SSL/TLS暗号化などのセキュリティ機能が追加されています。これにより、デバイス間の通信がより安全に行えるようになりました。さらに、ハードウェアアクセラレーションを活用することで、わずか20〜30 kBの追加リソースで、防御機能が強化されます。
セキュリティの強化
wolfMQTTは、ISO/IEC 27001の認証に準拠した安全なコードを用いており、開発者は安心して使用できる環境が整えられています。新しいTLS1.3セキュリティ技術を搭載することで、スケーラブルでより高性能なシステムの構築が可能になります。
wolfSSLのCTOであるTodd Ouska氏は、「MQTT v5.0における小型クライアントデバイスに最新のTLS1.3セキュリティを追加できることに大変興奮しています」とコメント。また、CEOのLarry Stefonic氏も「MQTT v5.0の対応により、開発者は強固なテストをクリアした安全な実装を選べるようになります」と述べています。
多様な対応プラットフォーム
wolfMQTTはLinux、Windows、OS X、μITRON、FreeRTOSなど、幅広いプラットフォームでの動作が可能です。また、ARM、インテル、マイクロチップ・テクノロジーなど、さまざまなシリコンベンダーのチップセットとも互換性があります。これにより、高い移植性と利便性を兼ね備えています。
MQTT v5.0の新機能
新たに提供されるMQTT v5.0では、以下のような機能が追加されました:
- - AUTHパケットタイプにより、接続後の認証情報を送信可能に
- - 接続障害時の理由コードをCONNACKパケットで提供
- - DISCONNECTのサポート
- - パケットにオプションのキー/値ペアプロパティの付加
- - 新たに追加されたUTF-8文字列ペアデータ型
- - QoS 1および2のパケットで再試行を中止
- - パスワードをユーザー名なしで提供可能
さらなる情報
wolfMQTTやそのセキュアファームウェアの更新情報は公式サイトで確認できます。オープンソース版もリリースされており、誰でも手軽にダウンロードして利用できます。
さらに、wolfSSLは今日からグランフロント大阪で開催されるET & IoT Technology West 2018に出展しており、明日7月6日には「進化するSSL/TLS、TLS 1.3承認で何が変わる?」というセッションも行います。興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
会社概要
wolfSSLは、商用およびオープンソースのデュアルライセンスで提供される最新の組み込みセキュリティソリューションを提供する企業です。日本にも技術サポートセンターを持ち、専門スタッフによるサポートを行っています。
詳細情報やお問い合わせは、公式サイトをご覧ください。