丸住製紙の大江工場が国際認証を取得
愛媛県四国中央市に所在する丸住製紙大江工場が、パルプ工場として世界初のISCC-CORSIA認証を取得しました。この認証は、国際航空分野における持続可能な航空燃料(SAF)の生産に関するものであり、同工場の取り組みが国際的な基準を満たしたことを示しています。
1. ISCC-CORSIA認証取得の意義
この認証は、NEDOの支援により進められている「パルプからの国産SAFの一貫生産およびサプライチェーン構築実証事業」において、丸住製紙が実績を上げた結果得られました。このプロジェクトでは、持続可能な航空燃料に必要な原料調達からSAFの供給に至るまでの全プロセスが見直され、温室効果ガス(GHG)削減効果も証明されました。
特に、今回の成果は、県内製材所を含むグループ認証制度を利用したものであり、各関連事業者間でのトレーサビリティを確保した上での協力体制が培われていることが大きなポイントです。
2. SAF導入の背景と展望
地球温暖化対策が急務となっている現在、航空業界でも二酸化炭素排出量削減の必要性が叫ばれています。国際民間航空機関(ICAO)は、SAFの導入を重要視し、日本でも2030年までに国内航空会社が使用する燃料の10%をSAFに置き換えることを目指しています。
この流れの中で、丸住製紙の大江工場はSAF官民協議会の支援を受け、持続可能性認証の取得を進めてきました。本認証は、こうした国の施策に則った活動が実を結んだものであり、特に日本国内におけるSAF製造の先駆けとなるものです。
3. 今後の展開
このプロジェクトでは、実証プラントの建設が進められており、さらなるSAFの製造に向けた準備が進行中です。パルプからバイオエタノールを経由して製造されるSAFが実用化されれば、日本の航空業界の持続可能性の向上に寄与することが期待されます。
本認証取得は、国内の製材所から調達した材料を使用しており、GHG削減に向けた重要なステップと位置付けられています。国産資源を用いることで、輸送距離の短縮にも寄与し、環境負荷の低減が図られています。
総括
丸住製紙の大江工場のISCC-CORSIA認証取得は、単なる企業活動に留まらず、持続可能な社会構築に向けた大きな一歩となります。今後も、日本におけるSAFの普及・推進に寄与し、環境負荷低減に貢献することが期待されます。