京都芸術大学と医学研究所北野病院の協力によるホスピタルアート
社会実装プロジェクトの一環として、京都芸術大学の学生たちが手掛けるホスピタルアートプロジェクト「Hapii+(はぴい)」が、大阪の医学研究所北野病院に新たなアート作品を施しました。この活動は、2009年から続くもので、医療環境をアートで改善し、患者やその家族に寄り添う癒しの空間を提供することを目的としています。
Hapii+の17年の歴史
「Hapii+」は、アメリカやヨーロッパでのホスピタルアートの考え方を基に、日本でも活動が広まりつつあります。20世紀初頭から医療現場へのアートの導入が進み、心のケアを重視する声が高まっています。このプロジェクトは、京都府立医科大学付属病院や京都大学医学部附属病院など、多岐にわたる医療機関で実施されてきました。
医学研究所北野病院では、2021年からアートの施工が始まり、これまでに外来エリアや新生児集中治療室など、さまざまな場所に作品を供給しています。最近では産科病棟にもホスピタルアートを施し、家族が共に過ごす大切な場を豊かにしています。
“切れ目のないケア”を象徴するデザイン
今回のアートには“線”の要素が取り入れられており、医学研究所北野病院が大切にしている「切れ目のないケア」を象徴しています。この線のモチーフは、産科病棟の入り口やナースステーション、分娩室などに施されており、出産に向かう母親や家族の思いをつなぎ合わせる役割を果たしています。
産科病棟内のアートは、出産時の緊張を和らげる柔らかな色合いで描かれ、来訪者に安らぎを与えてくれます。家族がこの空間を訪れる際、優しい線がそれぞれの思いに寄り添い、心の距離を縮める効果を発揮しています。
学生の創造力が光るプロジェクト
このプロジェクトには、20歳前後の学生たちが参加しています。若い世代ならではの柔軟な発想が活かされ、大人とは異なる新しい視点からのアートが生まれます。学生たちは、病院の医療従事者と密に連携し、現場のニーズに合わせたアートを共に創り上げることができる点も大きな利点です。
学生たちが行うヒアリングやプレゼンテーションの中で、医療現場の細かな要望を反映したアートは、実際の医療環境に深く根ざした作品になります。こうしたプロセスを経て、アートが持つ力を医療の現場で実感できるのです。
京都芸術大学の社会への貢献
京都芸術大学は、通学と通信教育を合わせて多様な年齢層の学生が集まる国内最大規模の芸術大学です。「社会と芸術」の関係を重視した教育を展開し、学生たちが抱える課題をアートとデザインの力で解決することを目指しています。年間100件以上の社会実装プロジェクトを実施し、芸術を通じて社会課題の解決に貢献しています。
今後も、京都芸術大学の学生たちはさまざまなプロジェクトを通じて社会に対して影響を与え続け、芸術が持つ力を最大限に活用し、地域社会や医療機関のニーズに応えることを目指していきます。
医学研究所北野病院の概要
医学研究所北野病院は、1928年に開院し、高度急性期医療を提供する地域医療支援病院として機能しています。685床を有するこの病院では、がん診療や救急医療、周産期医療など多岐にわたる専門分野で質の高い医療を提供しています。
病院所在地:大阪府大阪市北区扇町2-4-20
公式ウェブサイト
結論
京都芸術大学と医学研究所北野病院によるホスピタルアートは、これからの医療とアートの融合を示す素晴らしい事例です。学生たちの創造力と臨床現場のニーズが交わることで、新しい価値が生まれ、地域社会に深い影響を与えています。