平安時代の恋文化を現代に伝える『恋する古語辞典』が、7月13日、小学館より刊行されました。本書は、『万葉集』や『源氏物語』といった古典文学から精選した恋や愛に関する古語を700語収録しており、イラスト付きでわかりやすく解説されています。近年、古典文学への興味が再燃している中、現代人にとっても共感できる恋愛事情が詰まった一冊となっています。
本書に収められた言葉の一つに「薄花心(うすはなごころ)」があります。これは、真心が乏しく、移りやすい心を指します。また、「遠方人(をちかたびと)」は遠くにいる恋人を、そして「恋ひ死ぬ(こひしぬ)」は恋いこがれて死ぬという強い恋愛感情を表現しています。さらに、「煙比べ(けぶりくらべ)」や「夢の逢ひ(いめのあひ)」という言葉も収録され、思いを寄せる相手との関係性の深さや夢の中での出会いを語ります。
この辞典を読むと、古代の人々がどのように愛を育んでいたのかが想像でき、現代の恋愛事情との共通点に驚くことでしょう。例えば、顔を見ずに人づてに伝わる噂話で相手を思い描き、手紙や歌を介して気持ちを伝えていた平安時代の恋愛は、SNSやメッセージアプリを使った今の恋愛と似通っています。古語を通じて、歴史に思いを馳せることができるのです。
『恋する古語辞典』は、単なる辞典としてではなく、授業では理解が難しかった古典の世界を気軽に楽しむためのツールでもあります。五十音順に古語を調べることもできますが、気になる言葉をピックアップして読める構成になっているため、使い勝手も抜群です。そして、かわいらしいイラストやコラムも組み込まれており、当時の恋愛事情や文化についても知識を深めることができます。
特に注目すべきは、執筆陣の豪華さです。神永曉、谷知子、たられば、平野多恵、三島達矢(すゑひろがりず)、渡部泰明など、古典に精通した著名な方々がコラムを寄せており、恋、言葉、そして古典に関する多様な視点が提供されています。これにより、読者は新たな発見をし、古典文学に親しむきっかけとなることでしょう。
本書は定価1,650円(税込)で、四六判並製160ページのボリュームです。ISBNは978-4-09-504184-1で、2026年7月13日に発売されます。古典ファンはもちろん、古語にあまり馴染みがない人でも楽しめるこの辞典を手に取り、心温まる恋の言葉に触れてみてはいかがでしょうか。