新皮膚保護剤開発
2024-08-21 15:13:55

ユースキン製薬と農研機構が開発した皮膚保護剤の新素材とは

はじめに


最近、ユースキン製薬と国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が手を組んで、カイコの繭から高分子量セリシンを抽出し、皮膚保護剤としての新素材を開発しました。この過程で、革新的な化粧品素材の可能性が生まれ、皮膚バリア機能の向上が期待されています。

セリシンとは


セリシンはカイコの繭を構成する2つの主要なタンパク質の一つで、もう一つはフィブロインです。このセリシンは親水性であり、優れた被膜形成能力を持っていますが、天然の高分子量状態を維持することが難しいとされてきました。

例えば、通常、セリシンはフィブロイン繊維とともに分解されてしまい、化粧品利用には不向きとされていました。しかし、今回の研究では、この高分子セリシンを長期間安定させることに成功しました。これにより、自然由来の成分ながらも、皮膚を保護し保湿する効果が期待されています。

研究の背景


現在、スキンケア市場では、多様な肌悩みに応える高い安全性と機能性を持つ製品が求められています。さらに環境問題への関心も高まっており、サスティナブルな天然素材へのニーズも増しています。このような状況の中で、ユースキン製薬はカイコの繭に着目し、持続可能な素材を活用する研究を進め、農研機構と共同での開発を決定しました。

新素材の開発


研究では、安全性の高いカルシウム塩を用いることで、高分子量セリシンの抽出条件を確立しました。これにより、化粧品素材としての利用が可能な、安全で高品質なセリシンが得られるようになりました。また、グリセリンと組み合わせることで、高分子量セリシンを安定的に保つ「高分子量セリシン-グリセリン組成物(HSG)」を開発しました。これにより、HSGは製造面、機能面、安定性の全てにおいて優れた素材となりました。

HSGの特性


HSGは、その被膜形成能力によって皮膚を保護し、保湿する効果を持っています。実験においては、表皮水分蒸散量が抑制され、肌のバリア機能を補助することが実証されました。

未来への展望


開発された高分子量セリシンは、天然素材としてさまざまな機能性を持ち、近年の自然志向の流れにも合致しています。ユースキン製薬は、今後もこの素材を活かして新たな製品開発に取り組み、消費者の肌悩みに応える製品を提供していくことを目指しています。自然由来の成分による肌への優しさと、高い機能性を兼ね備えた化粧品業界の新たな動向に注目していきたいと思います。


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会社情報

会社名
ユースキン製薬株式会社
住所
神奈川県川崎市川崎区貝塚1-1-11
電話番号
044-222-1412

トピックス(コスメ・メイク・美容)

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