日本広報学会が策定した「広報」の新定義とは?

日本広報学会が発表した新しい「広報」の定義



近年、企業や組織における広報の役割がますます重要視されています。特に、サステナビリティを重視した経営や情報環境の急速な変化により、広報業務は多様なチャンネルやツールを駆使する必要があるからです。しかし、広報の定義については長年にわたり議論が続いていたものの、的確にまとめられた例は少なく、混乱を招くことも少なくありませんでした。

そこで日本広報学会は、2021年に新たに理事長直轄のプロジェクトを立ち上げ、約2年の歳月をかけて、研究者と実務者が協力して現代の広報を再定義することに取り組みました。このプロジェクトは、ただの理論的なものではなく、実務への応用も視野に入れたものです。

定義のポイント


新しい定義の注目点は、以下の3つです。

1. 組織と個人を主語に: 美しいイメージで語られることが多かった広報ですが、今回は「個人」を含めることによって、広報の関与がより実態に即したものとなりました。

2. コミュニケーションは手段: 広報活動の目的それ自体ではなく、コミュニケーションが手段であることを強調しています。つまり、広報はより良い伝達を通じて目的を達成するための活動として位置付けられています。

3. 経営機能としての広報: 広報部門だけでなく、経営者を含む全組織が広報に関与し、経営機能としての役割を担う必要性が示されています。これにより、広報は組織全体の戦略に不可欠な要素となることが期待されています。

シンポジウムの開催予定


この定義を受けて、今後日本広報学会は、関連業界団体や組織と連携し、2023年の秋に公開シンポジウムを開催する計画を進めています。このシンポジウムでは、新しい広報の定義について深く掘り下げ、広報の未来についてさまざまな意見交換が行われる予定です。

学界からの期待


日本広報学会の柴山慎一理事長は、「この新たな定義は、広報のあり方についての議論の出発点となるでしょう。広報に対する理解が深まり、関係者の共通認識が確立されることで、多くの人々の地位向上にも寄与すると期待しています」と述べました。

また、今回の定義作成に携わった上智大学の国枝智樹准教授は、「このプロジェクトは国際的に見ても珍しく、広報の定義を明確にするために多くの調査と議論を重ねました。新しい広報の意味を探るきっかけにしてもらいたい」とコメントしています。

日本広報学会について


日本広報学会は、1995年に設立された広報に関する学術団体で、現在では637名以上の広報の研究者や実務者が会員となっています。学術的および実践的な研究や理論の体系化を目指してさまざまな活動を行っています。広報の定義の見直しを通じて、より良いコミュニケーションと経営環境の構築に寄与することを目指し続けています。

会社情報

会社名
日本広報学会
住所
東京都文京区本郷2-26-9本郷片岡ビル5F
電話番号
03-5283-1104

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