株式会社ニコンクリエイツが次世代自由視点映像システムを導入

株式会社ニコンクリエイツは、2022年10月13日より東京・平和島の撮影スタジオにて、次世代自由視点3D映像制作システム「POLYMOTION STAGE」の運用を開始しました。この新システムは、100台以上のカメラを駆使して、360度全方向から映像を取得できるボリュメトリックビデオ撮影技術を用いています。これにより、人物の表情や動きをリアルに再現しつつ、自由なカメラアングルでの編集が可能となります。

ニコンクリエイツは、株式会社ニコンが設立した新会社であり、米国のMicrosoft Corporationの先端技術を基に、日本国内においてボリュメトリックビデオ制作のパートナー企業として活動しています。この技術によって、撮影後に視点やズームを変更することができ、これまで難しかった映像制作のプロセスを根本から変革することができます。

さらに、同社は人気アーティスト「SPiCYSOL」とのコラボレーションにより、ボリュメトリックビデオを用いた映像作品を制作しました。この作品は3人の異なるディレクターによるショーリールとして、10月13日に公開され、ボリュメトリックビデオの多様な可能性を実証しています。

ボリュメトリックビデオの利点は、例えば再撮影が困難なタレントや全員が集まることが難しいグループの撮影においても、高品質のデータを取得できる点です。この技術により、1人ずつ撮影を行い、その後、合成してグループ映像を作成することが可能になります。これにより、時間と労力の大幅な削減が期待できるでしょう。また、全ての映像データが一度の撮影で得られるため、「異なるアングルから撮影しておけばよかった」という悔いが残ることもありません。

この新しい技術は、ガジェットやCM、ミュージックビデオの制作のみならず、文化遺産のアーカイブやメタバースへの応用にも対応できるため、多岐にわたる用途が見込まれています。今後、ニコンクリエイツは「新しい映像価値の創造」をテーマに、次世代のクリエイターたちと共に、新しい映像コンテンツの提案を行っていく予定です。

撮影スタジオの詳細については、ニコンクリエイツの公式ウェブサイトで確認できます。営業時間は10:00から18:00までで、すでに予約が可能です。映像制作業界の未来を切り拓くこの技術が、今後どのように進化し、多くのクリエイターに影響を与えていくのかが楽しみです。