「109字幕制作サービスPLUS」が2025年度グッドデザイン賞を受賞
株式会社イメージスタジオ・イチマルキュウにより提供される「109字幕制作サービスPLUS」が、2025年度のグッドデザイン賞を獲得しました。このサービスは、聴覚障害を抱える方々がCMを理解しやすくするため、実際に当事者と連携して字幕制作を行うことに特化しています。具体的には、ろう者や難聴者といった多様な聴覚障害当事者との共同作業により、CMの意図や内容をしっかりと伝えられる字幕をデザインしています。
CM字幕が抱える課題
日本国内には約3400万人もの聴覚障害者がいますが、これまでのCM字幕は彼らのニーズに十分応えられているとは言えません。そうした状況を踏まえ、「109字幕制作サービスPLUS」では、聴覚障害者の視点を反映した字幕制作を行うことで、情報の格差を縮小しようとしています。従来の字幕サービスが抱える問題点に正面から向き合い、意図が確実に伝わる字幕表現を追求しています。
特徴的な制作プロセス
このサービスでは、専門のスタッフが聴覚障害者との評価分析を重視し、日常のCM制作において具体的な改善点を提案します。字幕制作の際には、話者表記やブランド名へのルビ挿入、BGMの表記などの工夫を凝らし、画面に流れる情報を正確に反映することが求められます。また、フィードバックを通じて、より高品質な字幕表現へと発展させるプロセスがあります。
受賞の背景
グッドデザイン賞の審査員からは、聴覚障害者が参加することで、想像しにくいCMのイメージを確実に伝達する仕組みが評価されました。この受賞は、今後のCM字幕における新たな基準となることが期待されています。情報格差が存在する社会で、「109字幕制作サービスPLUS」が提供する品質の高い字幕は、障害者の生活の質を向上させる一助となるでしょう。
今後の展望
「109字幕制作サービスPLUS」はグッドデザイン賞受賞を機に、さらなる普及拡大を目指しています。CMの中で聴覚障害者がより多く登場し、そのリアルな視点が反映される社会の実現が期待されます。このサービスが成功することで、聴覚障害者を含むさまざまな人々に対して、情報の格差を減少させる、より包摂的な社会を築くための道標となるでしょう。
グッドデザイン賞とは
1957年に創設されたグッドデザイン賞は、日本を代表するデザイン評価制度であり、社会の課題にデザインを活かすことを目指しています。この賞は、生活の質を向上させるためのデザインをほめたたえることが目的であり、受賞企業にはシンボルとなる「Gマーク」が贈られます。未だ多くの分野で課題が残る中、「109字幕制作サービスPLUS」の受賞が、新たなイノベーションと改善のきっかけとなることは間違いありません。