タイにおけるAIを活用したモバイル結核検診の開始
2025年3月より、タイ・バンコクでAIを活用した新しいモバイル結核健診の実証事業が始まります。この取り組みは、マヒドン大学公衆衛生学部と日本のエルピクセル株式会社の共同によるもので、バンコク都庁の協力を得て実施されます。
モバイル結核検診の概要
このモバイル健診は、X線撮影装置を搭載したバスが用意され、バンコク都会の19地区を対象に運行される予定です。胸部X線画像(CXR)が撮影され、AIが即座に結核の検出を行います。もし陽性が疑われる場合には、診断を担当する放射線科医に迅速に通知が送信される仕組みです。このシステムにより、早期の診断と「早期治療」の実現が期待されています。
結核とその重要性
結核は、結核菌が引き起こす感染症であり、国際的に見ても依然として危険な病気です。世界保健機関(WHO)も、結核撲滅に向けての取り組みを強化しており、AIの活用を推奨しています。今回のモバイル結核検診は、この流れに沿ったものであり、結核の早期発見と対策に寄与することが目指されています。
AIを活用した診断技術
エルピクセル株式会社は、医療画像診断支援技術「EIRL(エイル)」を開発し、医師の診断をサポートしています。AIによる画像解析は、より効率的で精度の高い診断を提供することが期待されており、特に脳MRIや胸部X線画像の解析において、その効果が顕著です。
JETROのサポート
本実証プロジェクトは、日本貿易振興機構(JETRO)の支援を受けて実施されます。これは、タイと日本の連携を強化し、医療技術の進歩を促進するための活動でもあります。
まとめ
タイにおけるこのモバイル結核検診は、AI技術を取り入れた革新かつ効率的な試みであり、結核の早期発見と治療の促進に貢献することが期待されています。受診者にとっては、従来よりも早く、安心した治療が受けられることが大きな利点となるでしょう。今後の展開に注目が集まります。