国立公文書館で国指定重要文化財を期間限定公開！

国立公文書館での貴重な展示

国立公文書館がこの秋、特別に複数の国指定重要文化財を展示することを発表しました。展示は期間限定で行われ、第一弾と第二弾の２つに分かれてそれぞれ異なる資料が紹介されます。

第1弾：国会開設之勅諭

まず第一弾では、明治14年、1881年に発せられた「国会開設之勅諭」が展示されます。この文書は、日本の立憲政治確立に向けた重要なステップを示すものであり、元老院や府県会が設置されてきた経緯を踏まえ、明治23年には国会が開設されることが宣言されています。これにより、政府の組織や権限がどのように構築されたのかが示されており、当時の政治的状況を理解する上での重要な資料です。

第2弾：新橋横浜間鉄道之図

続いて、第二弾として展示されるのは明治5年（1872年）に作成された「新橋横浜間鉄道之図」です。この資料は、品川から横浜の鉄道路線が開通したことを記念するものであり、当時の所要時間や距離についても記されています。新橋から横浜間は29kmで、当時の所要時間は53分でした。鉄道の開業は日本の交通網の発展に大きな影響を与え、現在では「鉄道の日」として10月14日が定められています。

公文録について

このような資料は「公文録」と呼ばれるもので、太政官が受け取った文書を年別、各省別に整理した重要な記録です。明治元年から明治18年までの文書が編集され、全4102件に及びます。また「公文附属の図」として、他にも460件の資料が存在し、これらは通常の公文録とは形状が異なるため別に整理されています。この資料群は、明治期における政府の様々な施策を今日に伝える重要なものとして、1998年に国の重要文化財に指定されました。