Scheme Vergeとチュラロンコン大学のMOU締結
新たに展開される防災ソリューション開発への期待が高まっている。このたび、東京都を拠点とする
Scheme Verge株式会社が、タイの名門大学である
チュラロンコン大学の災害危機管理経営情報システム研究ユニット(
DRMIS)との間でMOU(覚書)を締結した。同社は「都市の再発明」を企業のビジョンに掲げ、特に
AIとリアルタイムデータの活用に力を入れている。
MOU締結の背景
Scheme Vergeが手掛ける
Horaiスマートタウンボードは、すでに過去2年間にわたる研究開発を経て、リアルタイムの人流データを用いたシステムとして着実に進化を遂げてきた。このシステムは、通常時の商業マーケティングだけでなく、災害や事故の際には避難誘導や群衆コントロールの役割も果たすことが目的だ。このような背景から、DRMISとの協業が不可欠とされるようになった。
特に、最近の
ミャンマー中部地震では、1000km以上離れたバンコクでも長周期地震動による影響が見られるなど、ASEAN全域での防災の重要性は今まで以上に増している。このMOUに基づく協力を通じて、両国の知識と技術を結集し、迅速な復旧や復興だけでなく、防災教育・人材育成へとつなげることが期待されている。
MOU締結の目的
このMOUにより、以下の目的が達成されることが目指されている:
1.
リアルタイムデータとAIを用いた防災ソリューションの開発
2.
ASEAN諸国をターゲットにしたスピンアウトスタートアップ事業の創出
特に、データとAIを駆使した防災ソリューションは、タスクの効率化や迅速なデータ処理を実現し、災害対応力を高めることが期待されている。これにより、
Scheme Vergeはアセアン地域でのプレゼンスを高め、今までにない形で危機管理を強化することができるだろう。
チュラロンコン大学のDRMISについて
チュラロンコン大学のDRMISは、防災科学や経営情報システムの分野での研究を行っており、2018年に設立されて以来、学際的なアプローチで人材育成を行ってきた。同ユニットのリーダーである
ナット・リーラワット氏は、東日本大震災やタイの大洪水の経験をもとに、日本とタイ両国における防災分野の第一人者として非常に高く評価されている。
Scheme Vergeの今後の展望
今後、Scheme VergeはDRMISとの協力を強化し、技術革新を通じたより安全な都市の実現を目指す。また、地域の安全性向上だけでなく、スピンアウト事業を通じたビジネス創出も視野に入れている。特に、技術的課題を解決しつつ、国際的な協力関係を築くことで、持続可能な発展を図る。
結論
このMOUの締結により、日本とタイの両国は、防災分野における知見を融合させ、スマートビルやスマートシティへの実装可能なソリューションを提供することで、地域全体の防災意識と危機管理能力を高めていくことが期待される。ASEAN地域への貢献が一層進むことにより、安全で快適な都市生活の実現が待たれる。