千葉大学病院に新設された防音室とは
千葉大学医学部附属病院(病院長:大鳥精司)は、患者さんが快適に入院生活を過ごせるよう、新たに「防音室」を病棟のラウンジ内に設置しました。この防音室は、面積5㎡のスペースで、10月上旬から利用が開始されています。
設置の背景
この防音室の設置にあたっては、特に感人のエピソードが背景にあります。白血病で入院していた若きチェロ奏者、山本栞路(かんち)さんが中心となり、入院環境における音の制限からくるストレスを感じた経験を踏まえて「音のある世界」を提供したいという願いが結集しました。彼女は亡くなる前に、「病院に防音室を寄付したい」という思いを持ち続け、彼女のご両親が立ち上げた団体「M for M」が設立されました。この団体は医療と音楽の力を結集し、入院患者の心のリハビリを支援することを目指しています。
再度、この取り組みの意義を広めたのは、さまざまな演奏家たちが参加した音楽会やクラウドファンディングによる寄付金です。こうした地域の支援があってこそ、今回の設置が実現したのです。
防音室の利用方法
防音室では、以下のような多彩な活動が可能です:
- - 楽器演奏:入院中も音楽に触れることができ、心を豊かにします。
- - 音楽鑑賞:リラックスしながら音楽を聴くことで、心の休息が得られます。
- - 歌唱:自分の声を自由に響かせることができます。
- - 会話:友人や家族とゆっくりと話すことができ、心のサポートとなります。
- - リモートワーク・学習:入院中でも勉強や仕事が行える環境を提供します。
【利用対象】
防音室は主にひがし棟7階の入院患者を対象としますが、今後は他の院内施設へも拡大する可能性があります。
【予約方法】
予約は必須で、1回につき30分まで利用可能です。利用時間は9:00から16:00までとなっています。
期待される効果
血液内科の堺田惠美子科長は、この防音室の設置が患者さんにとって長期入院生活を乗り越える力になればと期待しています。音を介してのリハビリやストレス解消が促進され、「心が安らぐひととき」を提供することで、より快適に治療に向き合える環境を作り出したいと考えています。
患者の皆さんがこの新しい空間で心地よい時間を過ごし、それが治療への前向きな力に繋がることを願っています。
今後の取り組み
今後も千葉大学病院では、患者の心のケアや入院生活をよりよくするための取り組みを進めていきます。このような新しい試みが、音楽という素晴らしい力を通じて、治療に対する意識や関心を高めるきっかけになることを期待しています。患者が音楽に囲まれた環境で心地よい入院生活を送れるようになることは、医療と音楽のさらなる融合への第一歩と言えるでしょう。
詳細なお問い合わせについては、千葉大学医学部附属病院の広報室へご連絡ください。
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