ヨコハマ海洋市民大学、第10回講座の開催
2024年度の「ヨコハマ海洋市民大学」において、第10回目の講座が令和7年3月6日に横浜市中区の象の鼻テラスで行われました。本イベントは、横浜の海にまつわる社会問題を解決する力を育むための試みであり、次世代の市民「海族(うみぞく)」を育成することを目的としています。この取り組みは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環だということもあり、海を通じて人々がつながることが求められています。
文化祭に向けた意義深い会議
今回の会議は、2025年3月20日に開催予定の「海辺の文化祭@象の鼻テラス」に向けた重要な準備作業となりました。この文化祭は、参加者同士が一堂に会し、思いや活動を共有できる場を提供することを目指しています。海への関心を高め、地域の社会課題を自分たちの視点で解決していく意義を感じるこの講座は、実行委員会が初めてスタートした時から、海に対する意識がどのように変化し、広がってきたのか再考する良い機会となりました。
2014年の活動開始以来、参加者たちの熱意は年々強まってきています。特に、海や環境に関する関心を持ち、様々な社会問題を取り上げながら、自らの活動を考える姿勢が強調されています。今回は特に、参加者同士がリアルに集まることで、お互いの意見や情熱を感じ合うことができ、その意味でも直前作戦会議はとても価値のある時間となったことが伺えます。
参加者たちの多様な自己紹介
講座では、参加者それぞれが自分の役割や文化祭での活動内容を紹介しました。各々の自己紹介からは、海を楽しむ想いや地域に根ざした活動がうかがえました。
- - 昨年から参加している方は、写真スポットを担当し、「海が楽しいことを伝えたい」と語りました。
- - 参加初年度の方は、「チラシ配布や広報活動に関わっています。新しい活動に興味を持ちました」とクリエイティブな意欲を示しています。
- - 卒業生が語った「海にまつわる書籍を紹介したい」という言葉からは、海への愛が伝わってきました。
このように、参加者が海をテーマにしながら自らの視点を交えて想いを共有することで、より多様な理解と共感が生まれる場が形成されていました。
海への課題とそれに向けた活動
会議の中で、参加者が抱える海に関する課題が次々と明らかになりました。彼らは、自己紹介を通じて「海の魅力を伝える」「知識を広げる努力をする」といった意図を持っており、会議は活気にあふれていました。
「職業船員が減少していることが課題だ」と指摘する声もあり、周囲の反応も熱心でした。参加者たちは、それぞれの現場で得た知見や経験をもとに、「海に関する教育や意識改革が重要」だと強調しました。また、地元住民と連携し、地域の港をもっと身近に感じてもらうためのシンポジウムも計画されています。
「横浜の過去と未来を考える」ことも、参加者たちの大事なテーマの一つになっています。多くの人々が、活動を通じて海への理解を深め、周囲へその魅力を発信することで、身近な社会問題を解決していく意識を育てていることは、今後の社会にとって重要な意義を持つでしょう。
参加者同士の距離も縮まり
一方で、進行委員会は「意見をまとめることが目的ではない」とし、自由に想いを交わす重要性を認識しました。参加者同士の意見交換が活発に行われ、互いに共感しあうことで、より強固な絆が生まれているようです。
「他の人の視点を持つことができたのは楽しかった」との声もあり、文化祭を更に楽しみにしています。このように、海を愛する気持ちが人々を結びつけ、横浜の海が抱える社会課題に対してアクションを起こす市民が育っていくことが期待されるイベントでした。
これからの取り組み
「ヨコハマ海洋市民大学実行委員会」の今後の活動は、海を通じて地域の魅力を探求し、次世代を担う市民を育てることに特化していきます。海に対する好き嫌いや関心の有無に関係なく、豊かな海環境を次の世代へと引き継ぐための活動が広がることは、永続的な課題解決に向けた新たな一歩です。
このような取り組みが、様々な人々に「海族(うみぞく)」としての自覚と行動に繋がることを願っています。