メルク、社員向け不妊治療制度を大幅拡充
世界有数のサイエンスとテクノロジー企業・メルク(Merck KGaA)の日本法人であるメルクグループジャパンは、社員向けの不妊治療支援制度を大幅に拡充すると発表しました。2026年6月からは、生涯助成上限額が従来の315万円から100,000ユーロ(約1,800万円)に引き上げられ、より多様なニーズに応えられるようになります。この取り組みは、社員が安心して治療に専念できる環境造りや、長期的な支援を目指しています。
不妊治療と仕事の両立の難しさ
不妊治療は、長期的に支援が必要なケースが多く、職場環境への影響も大きいと言われています。厚生労働省の調査では、実に26.1%の労働者が「仕事との両立ができなかった」と回答し、これは仕事と妊活を両立できない事象が課題となっている証拠です。このため、メルクは「妊活離職」という現象を防ぐための制度拡充を進めています。
様々なサポートを提供
新たに改定された制度では、助成対象となる治療や検査も広範囲にわたり、体外受精や男性不妊治療を含む多様な支援が受けられます。また、全正社員、契約社員、そのパートナーも対象となり、年齢や性別、性的指向に関わらず広くカバーされています。
YELLOW SPHERE PROJECTの意義
メルクが展開する「YELLOW SPHERE PROJECT」は、妊活や不妊治療を支援するためのプロジェクトであり、その中核を担うのがこの助成制度です。メルクは、妊活に取り組む全ての人々に対して、適切な情報提供とサポートの輪を広げることを目指しています。社員への有給休暇制度としての「Yellow Leave」や、教育・啓発活動を通じて職場環境を整え、治療とキャリアの両立を容易にする取り組みも行っています。
企業の責任と社会的課題
経済産業省の試算によると、不妊治療に関連する経済損失は年間約3,000億円にも達するとされています。その中で離職に伴う損失は約2,200億円であり、企業にとっても深刻な影響を与えています。このような状況を受けて、メルクは「患・学・産」の連携による社会全体の課題解決に向けた取り組みを始めました。医療の専門家、当事者団体、産業界が一体となり、不妊治療支援を促進していく考えです。
今後の展望
メルクは、治療に取り組む人々が負担を軽減できる環境を整備し、患者に優しい社会の実現を目指しています。「As One for Patients」という企業のパーパスのもと、仕事と不妊治療の両立が可能となるよう、今後も多方面で支援を進める考えです。この取り組みが「ファミリーフレンドリー」な社会の実現につながることを期待しています。
まとめ
2026年6月以降、メルクグループジャパンでは、社員を対象に不妊治療に関する支援制度が大幅に拡充されます。この制度が、社員が安心して治療に専念できる基盤を提供し、より多くの人々に希望をもたらすことが期待されます。メルクは今後も不妊治療領域でのリーダーシップを持って、社会全体で支えるべき課題に取り組んでいく方針です。