在宅副業ブームと循環型社会:アパレル市場の新たな挑戦
新型コロナウイルスの影響で急速に広がった在宅副業。その背景には、アパレル業界の構造的な課題がある。特に、見切り在庫やB品とされる返品・未販売品は、廃棄される運命にあることが多い。この複雑な問題に、株式会社ウィファブリックが運営する「SMASELL」が立ち向かっている。
SMASELLの取り組み
SMASELLは、アパレルブランドや通信販売会社が出品した見切り在庫やB品を、個人バイヤーとマッチングするオンラインプラットフォームだ。彼らの目的は、いわゆる廃棄を減らし、循環型社会の実現を目指すことにある。バイヤーは必要な商品を購入し、サプライヤーは廃棄物を減少させることで、双方にメリットが生まれる。
廃棄による環境問題
ここで注目すべきは、アパレル廃棄の現状だ。世界で年間約228億枚もの衣服が廃棄されており、全て焼却されると約2700万トンのCO2が排出される計算になる。これは約19億本の針葉樹が吸収できる量に相当する。これを受けて、SMASELLでは商品の再流通がもたらすCO2削減効果を算出。売買が成立すると、ユーザーは自身がどれだけ環境に貢献したかを可視化できる仕組みを、業界で初めて導入した。
450トンのCO2削減に成功
このプラットフォームの導入から、ついにCO2総削減量が450トンを突破した。これは、アパレルと環境問題の同時解決の証明ともいえる。新型コロナの影響によって在宅で副業を始める人が急増し、会員数はコロナ前の2020年1月と比較して600%、流通額は1100%以上の成長を記録している。このような急成長を背景に、ウィファブリックはさらなる循環拡大を目指している。
輪が広がるアパレル業界
ウィファブリックの代表、福屋剛氏は「最後の一点まで必要とする人に届ける循環を拡大し、業界の課題解決に取り組んでいきます」と意気込みを語る。SMASELLは、今後も多くのアパレルメーカーや個人バイヤーに支持され、環境問題解決に寄与していくことが期待される。
まとめ
SMASELLの取り組みは、ただのビジネスモデルにとどまらず、環境問題という社会的課題への挑戦でもある。在宅副業が新たなビジネスチャンスを提供すると同時に、アパレル業界の廃棄問題解決にもつながる。このような循環型社会の実現が、今後のアパレル市場にとって重要なテーマとなるだろう。アパレル業界に関心がある人々は、この動向を注視していく必要がある。
公式サイトはこちらから詳細を確認できる。