看護師の働きやすさを見える化する実証が始動
2024年10月に入って、セコム株式会社と株式会社きゃりこん.comは、看護師の働きやすさに関する実証実験をスタートさせると発表しました。本実証は、セコム提携病院である新東京病院を中心に実施され、450名の看護師を対象に行われる予定です。
背景
医療現場では、患者の命を預かる強い責任感とプレッシャーにさらされています。このような環境では、従業員が心身ともに疲弊しやすく、長期的に活躍できる職場環境の構築が求められています。そこで、今回の実証は病院の運営支援を行うセコム医療システムが持つ経験と、株式会社きゃりこん.comが開発したオンラインサービス「toHANAS(とはなす)」を組み合わせて、医療従事者の働きやすさの向上を目指すものです。
実証実験の目的と方法
この実証実験は以下の3つの柱から成り立っています。
1. 個々の自己理解を支援
看護師一人ひとりのコンディションを定期的に診断し、国家資格を持つキャリアコンサルタントによるオンライン面談を実施します。この面談は社内評価とは一切関係ないため、看護師が安心して自らの感情や状況を表現できる環境を提供します。
2. 組織全体の課題を可視化
看護師の傾向を匿名化し、組織全体の働きやすさに関する情報をデータとして可視化します。これにより、具体的な組織課題を定量的・定性的に分析し、連続的な改善を促進していきます。
3. 医療安全文化調査の新しい実施方法
従来から行われている医療安全文化調査や従業員エンゲージメント調査の新たなアプローチを導入します。これにより、職員の意見をより生かした質の高い環境づくりに寄与することを目指します。
実施の詳細
実施先は新東京病院(千葉県松戸市)で、実施期間はトライアル/説明期間が2024年7月から9月、実証期間は2024年10月から2025年9月までの予定です。
このプロジェクトを通じて、医療従事者がより快適に働ける環境を整えられることが期待されています。看護師の定着率向上や、職場内での充足感の実現に繋がることでしょう。
まとめ
医療従事者の労働環境は、社会全体の健康と安全に直結する重要な要素です。今回の実証実験は、看護師の潜在的な課題を可視化し、持続可能な職場環境の構築へと繋がる一歩として注目されています。我々は、この取り組みの成果に期待を寄せています。