後期高齢者や国保加入者の保険証認知度に深刻な実態

保険証有効期限に対する認知の低さ

近年、保険制度の変更が進む中、国民健康保険や後期高齢者医療制度の受給者の理解度が低下していることが深刻な問題として浮上しています。特に、従来の健康保険証の有効期限に関しては、国民からの認知が不足していることが、最新の調査によって示されました。

調査の背景

2024年12月から、健康保険証の新規発行が停止されるに従い、マイナ保険証への移行が進められています。これにより、保険証が無効となるケースが多くなると予想され、特に高齢者やマイナンバーカード未登録者にとっては大きな影響を及ぼすことが考えられます。

税理士の菅原由一氏が運営するYouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』が実施した調査では、国民健康保険加入者の約26.3%が保険証の有効期限を知らないという衝撃的な結果が出ています。一方、後期高齢者医療制度の加入者も13.6%が期限を認識していないとのことです。

このような低い認知度は、今後の医療サービスの受給に深刻な影響をもたらし、特に期限切れによるトラブルに直面する可能性が高まります。

資格確認書についての理解不足

調査では、「資格確認書」が届いていないと回答した国民健康保険の加入者は35.7%に達し、さらに28.7%が「わからない」と回答しています。また、後期高齢者においても17.1%が届いていないとされ、その背景には発送や周知体制に問題があることが指摘されています。資格確認書とは、マイナ保険証未登録の方が保険診療を受けるために必要な書類であり、４割以上が認識していないという現状は、制度の不透明さを物語っています。これは特に年齢層が高い後期高齢者にとって、健康管理上も大きなリスクを伴います。

制度改正に伴う不安

マイナ保険証への移行が進む中で、従来の保険証の利用ができなくなることに対する不安から、利用率は低迷しています。特に通信障害やトラブル（個人情報の漏洩や誤登録）に対する懸念が強く、国民が新しい制度に対して信頼を寄せていない現実があります。それにより、利用をためらう人が多く見受けられます。

菅原由一の解説

菅原氏は、今回の調査結果を受け、制度への理解促進が急務であることを訴えています。「資格確認書」は、最大5年間有効な書類で、特にマイナ保険証への移行が難しい方々にとって、重要な役割を果たします。今後の制度運用に不可欠です。

菅原氏は、保険証に関する間違いや不備が、健康管理において大きな問題を引き起こす可能性があるため、より多くの人々に周知されるべきであると述べています。特に、国民健康保険加入者や後期高齢者に向けた教育や情報提供が必要です。