日本初開催の詐欺対策カンファレンス
2025年5月14日、日本国内で初となる『詐欺対策カンファレンス Japan 2025』が開催されました。このイベントは、電話およびネット詐欺対策アプリ「Whoscall」を展開する台湾のGogolook社が主催し、国内外の業界代表者が集まりました。今年のテーマは「顧客を詐欺から守るには」です。
参加者には、三井住友銀行、エウレカ、ネットプロテクションズなどの企業から代表者が登壇し、詐欺対策の最新情報や現場での取り組みについての意見を交換しました。パネルディスカッションでは、新たな詐欺手口や公民連携の重要性に焦点が当たり、活発な議論が繰り広げられました。
Global Anti-Scam Alliance(GASA)とは
GASAは2021年に設立された国際的な非営利団体で、詐欺被害から消費者を守ることを目的としています。100以上の世界中の団体が参加し、情報共有や政策策定を行っています。Gogolookも創設メンバーとして活動しており、詐欺対策の力量を各国で強化しているのです。
パネルディスカッションのハイライト
今回のセッションでは、各企業の専門家が詐欺の全体像を3つのフェーズから検証しました。Gogolookのチーフビジネスオフィサー、ボイス・リン氏は、ブランドの模倣、情報漏洩、取引実行の段階における対策の重要性を強調しました。特に、フィッシングや詐欺サイトを通じての個人情報の搾取が問題視され、データベースの整備が不可欠であると述べました。
新たな詐欺トレンド
三井住友銀行の武笠雄介氏は、最近の詐欺トレンドとして「サポート詐欺」と「ボイスフィッシング詐欺」を挙げました。これらの詐欺は第三者からの把握が難しく、企業による対策が困難であることが説明されました。また、ブローカーを介さずにダイレクトに流出した個人情報を用いる「転送詐欺」が多発しているとのことです。
AIとデータ分析による対策
詐欺対策にはAI技術やデータ分析が不可欠です。Gogolookは、SNS上での詐欺広告の監視を行い、その効果が証明されています。また、企業各社も、技術的な対策に加え、ユーザーの意識向上に努める必要があるとされました。エウレカ社の山田陽介氏は、マッチングプラットフォームの信頼性を確保するため、本人確認やID認証を導入していることを述べました。
官民連携が重要
Gogolookは、詐欺対策アプリ『Whoscall』で地元警察と連携し、効果的な普及活動を行っています。金融業界も、企業単体での対策だけでなく、外部機関との協力が不可欠であるとされました。詐欺対策を進めることで、企業が直面するリスクを低減するとともに、被害を未然に防ぐ取り組みが進められています。
今後の展望
本カンファレンスを通じて、企業や官民が連携し、詐欺師にとって“割の合わない社会”を築くことが重要であることが再度確認されました。参加者全員が、詐欺対策への継続的取り組みを約束し、詐欺に対抗する努力が必要であると強調したに違いありません。これからも、業界全体での奮闘が期待されます。
Whoscallのご紹介
台湾のGogolookが提供する「Whoscall」は、全世界で1億ダウンロードを超えるアプリで、各国の電話番号データベースを駆使して詐欺電話を特定します。日本では福岡市や渋谷区と連携し、地域での安全向上を目指していることも注目です。今後も日本市場でのサービス拡大を期待します。