デジタル海運の未来
2025-05-08 16:39:21

インマルサットのセミナーで探るデジタル海運の未来と革新

インマルサットの「デジタル時代の繁栄」セミナー



2025年5月8日、シンガポールで開催されたインマルサットのセミナー「デジタル時代の繁栄」では、海運業界のデジタル化とコネクティビティの進展が新たなビジネスチャンスを生み出していることが強調されました。参加した専門家たちは、洋上に浮かぶオフィスとしての船舶が、従来の運航効率や安全性にどのように寄与しているのかについて語りました。

特に注目されたのは、商船三井の執行役員兼社長である熊桜氏が指摘した、約900隻の船隊におけるコネクティビティの重要性です。彼によると、同社は1隻ごとに1万個以上のセンサーを装備し、東京本社の「安全運航支援センター」へデータをリアルタイムで転送しています。このシステムにより、船舶は気象条件やエンジンの状態などの情報を迅速に取得でき、運航中により適切な判断ができるようになったのです。

さらに、熊桜氏は新しい燃料導入時のデータ転送の利点を述べ、運航要件の簡素化とともに安全性を維持する手段を説明しました。このようなデジタル化の取り組みは、業務の効率化に寄与し、船主と陸上本社との意思決定を完全に一致させることに成功しています。

次に、ノルウェーの海運会社ウィルヘルムセンのナクル・マルホトラ副社長も、デジタル化が安全性向上に果たす役割に注目。彼は、商業的成長を安全に促進するための重要な要素として、デジタル化を位置づけました。商業的価値がなければ進展はないとする彼の言葉は、デジタル海運の未来に向けたヒントを提供しています。

シナジー・マリン・グループのアンドリュー・ホード最高商務責任者は、実際のデジタル化の進展を紹介し、船上での水耕栽培の導入事例を挙げました。このプロジェクトは、AIが水や光を制御することで成り立っており、従来の手法では実現不可能だった技術の実用化を示す好例となっています。

そして、船舶上のタスクを効率化するために、ジェネレーティブAIを活用し、航海士が必要なデータを迅速に取得できるような仕組みが生まれています。これにより、以前の作業時間が数時間から1時間に短縮され、業務効率が飛躍的に向上しています。

パネリストたちの意見は、洋上での業務効率化の可能性を強調する一方で、デジタル化を単なる速度向上にとどめてはならないとも警告しています。ナクール・マルホトラ氏は、デジタル化が船陸間のインターフェースを根本から変える機会であるべきだと述べました。

インマルサット・マリタイムのオードラ・ドラブローズ氏は、同社のNexusWaveが提供するシームレスな接続性が、海運業界のデジタル化を加速することを強調しました。彼らの目指す「フローティング・オフィス」の実現には、利用可能なネットワークの総容量を活用する革新的な技術が必要です。

「スピードだけでなく、そのスピードを使って何を実現できるかが重要です」とドラブローズ氏は述べています。

このセミナーはブラジルにおける海運のデジタル化の可能性を示したものであり、今後の展望も期待されます。

インマルサット・マリタイムは、今月5月に今治で開催予定の「Bari-Ship 2025」展示会や、6月のNor-Shipping 2025でも引き続きこのテーマを扱う予定です。デジタル化を中心に、業務効率化や乗組員の福利厚生、安全を強化する具体的な施策について議論されることでしょう。

インマルサット・マリタイムについて


インマルサットはViasat社の海事部門であり、40年以上の実績を持つ企業です。常時接続を実現し、船舶の安全運航を確保するための革新的なソリューションを提供しています。Viasatは、世界24カ国で通信を展開し、さまざまな分野で接続性を向上させることを使命としています。

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