広島県が誇る農業の新しい挑戦！地元銀行とJ-クレジット契約を締結

広島県が誇る農業の新しい挑戦！地元銀行との契約締結

2025年2月28日、広島県安芸高田市に本社を置く株式会社Rev0が、同県内初となるJ-クレジット契約を株式会社広島銀行と締結しました。この進展は、地域の持続可能な農業に向けた重要な一歩として、多くの関係者から注目されています。

J-クレジットとは？

J-クレジットは農業や林業などの活動から生まれる二酸化炭素の削減量をクレジットとして取引する仕組みです。Rev0では、農業経営体の収益向上を目的に、水稲栽培を通じてメタンガスの排出を抑制し、その削減量をクレジットとして販売しています。

地域の特性を活かした取り組み

Rev0のプロジェクトは、安芸高田市の中山間地域の特性に根ざしたもので、今回は水稲の栽培プロセスの「中干し」に注目しています。中干しは、農作物の育成において非常に重要な工程で、田んぼの水を一時的に抜くことで土壌の地力を向上させる役割があります。この期間を延長することにより、メタンガスの排出を抑え、今回初めてJ-クレジットとして認証を受けたのです。

式典には、Rev0の本多社長をはじめ、広島銀行の廣江取締役、広島県の向井氏などが出席。皆が持続可能な農業を育むためにこの契約の意義を強く感じていました。

支援体制とリスク管理

新たな収益源として期待されるJ-クレジットですが、農家には土壌の水分不足というリスクが伴うことも忘れてはなりません。このリスクを軽減すべく、Rev0は広島県農業技術指導所やJA全農ひろしまと協力し、最適な栽培方法を開発しました。これは、農家が安心して中干し延長に参加できるようにするための重要な取り組みです。

また、遠方の水田の水位をモニタリングできるアプリを導入し、トラブル時の迅速な対応も可能としています。こうした取り組みは、形式的なクレジット創出に比べて手間がかかりますが、農産物の障害や不正行為のリスクを低減し、信頼性の高いクレジットを提供するための努力の一環です。

経済的な未来への道

Rev0は、地域の農家と共存しながら、持続可能な収益アップに向けて邁進しています。中干し延長事業の拡大を目指す他、広島銀行との連携を深め、地域を支える取り組みを積極的に推進する意向を示しています。

広島銀行の廣江氏は、購入したJ-クレジットの使用を2030年度のカーボンニュートラル目標達成に向けた施策の一つとしていることを強調。地域の自然環境を保護し、地域農業が次世代へ継承されるように支える姿勢を強調しました。

今後の展望

Rev0は今後、広島県だけでなく、近隣地域へのモデルケース展開を図り、持続可能な農業経営体の創出を目指します。さらに、有機栽培やバイオ炭の導入などを通じて新たなJ-クレジットの創出にも挑むことで、農業の多様性と持続可能性を高めていく方針です。

農業従事者の減少や不安定な収益といった社会課題が増大する中、Rev0は地域の声に耳を傾け、農業の次世代継承を実現するための努力を続けています。地域に根付いた農業は、未来の日本の食を支える基盤となるでしょう。