企業の働き方を探る意識調査
在宅勤務と出社勤務の意識調査が、株式会社プロフェッショナルバンクのHR研究所から発表されました。この調査は、働き方に関するビジネスパーソンの本音を探るもので、有効回答数は1,075人にのぼります。調査の目的は、在宅勤務や出社勤務の選択が可能な業界で勤務しているビジネスパーソンの勤務環境や満足度の実態を把握することにあります。
コロナ後の働き方シフト
2020年以降、新型コロナウイルスの影響でリモートワークが急速に浸透しましたが、最近では企業が出社勤務へ戻る動きも見られます。この調査では、リモートワークと対面勤務のそれぞれにおける利点と欠点について考察します。
調査結果の概要
調査の結果、フルリモート勤務者の満足度が非常に高いことが明らかになりました。実際、フルリモート稼働者の90%以上が現状に満足していると回答しています。一方、満足度が高い理由として「通勤が不要となったこと」が挙げられ、仕事と私生活のバランスがとれる点が評価されています。
また、ハイブリッド型勤務者の中でも通勤のない日があることで、仕事の効率を高められるという声が多く見受けられました。しかし、通勤の負担が重くのしかかる完全出社勤務者の不満も多く寄せられ、職場環境の改善が急務であることも浮き彫りになっています。
フルリモート勤務の利点
フルリモート勤務を選択する意義は、通勤による身体的かつ精神的な負担の軽減にありました。調査によると、フルリモート勤務者の51.1%が通勤のストレスがないことを一番の利点として挙げ、加えて「通勤にかかる時間を生産的に使える」ことや「出費を抑えられる」というメリットも強調されています。これにより、仕事に集中しやすい環境が生まれ、ワークライフバランスの向上にも寄与していると言えます。
完全出社勤務者の厳しい現実
対照的に、従来の完全出社勤務者の多くは、「通勤が疲れる」との訴えが非常に多く、約49.6%が時間的拘束を不満として挙げています。出社のための準備や、通勤にかかる費用も頭を悩ませる要因となっています。このように、フルリモート勤務から得られる利便性とは裏腹に、出社勤務者は多くのデメリットに直面しています。
ハイブリッド型勤務の特性
ハイブリッド型勤務については、両方の勤務形態の長所を享受できる一方で、業務のバランスや切り替えが難しいとの回答もありました。この型の勤務者は「出社とリモートの両方の利点を取り入れつつ、両者の切り替えや環境構築に苦労している」といった声が寄せられています。
理想の働き方の模索
調査の最後には理想の働き方に関する質問もあり、ビジネスパーソンの多くが「リモート比率の高いハイブリッド型」を求めていることが分かりました。フルリモート勤務者の47.3%が現状のフルリモートを支持する中、出社勤務者の48.2%もハイブリッド型を選ぶなど、業務パフォーマンスを最大限に発揮できる働き方に対するニーズが高まっています。
結論
総じて、今回の調査結果からわかるように、ビジネスパーソンの働き方に対する意識は大きくシフトしてきています。フルリモート勤務の利便性が高く評価される一方、完全出社勤務者は通勤コストという現実の厳しさを直視しなければなりません。また、ハイブリッド型勤務も理想的な働き方として人気である一方で、職場環境や時間管理に責任を感じているようです。これからの企業は、働き方をどう進化させていくのかが重要な課題になっています。