近畿圏の不動産市場動向(2024年7~9月期)
近畿圏の不動産流通市場は、2024年7月から9月の期間においても堅調な動きを見せており、中古マンションと戸建住宅の価格は上昇しています。
中古マンションの成約状況
中古マンションの平均成約価格は3,019万円となり、前年同期比で4.8%の上昇を記録しました。この上昇は17期連続で続いており、新規登録価格も2,899万円に達し、同じく前年同期と比べて4.7%増加しています。特に、大阪市では成約価格が4,141万円と高値を維持しており、これは15年の10月から12月期以来36期連続で前年を上回る成績です。
中古戸建住宅の取引状況
一方、中古戸建住宅の成約件数は2,959件で、前年同期比で11.2%の増加を記録し、これも7期連続の成長です。また、売り出し件数は12,227件で前年より14.4%増加しており、対象となった12の地域のうち11地域で成約件数が増えました。特に、大阪市や阪神間、そして京都市では二桁の増加となり、北部京都市も5期連続で前年を上回る結果となっています。
戸建住宅の成約価格
中古戸建住宅の成約価格は2,384万円となり、こちらも前年同期比で4.6%の上昇が見られ、16期連続での上昇を記録しています。しかし、新規登録価格は2,657万円で前年より1.8%の減少となっています。対象の12地域のうち、9地域では前年と比べて価格の上昇が見られ、大阪市は8期連続、京都市は7期連続で成約価格が上昇してきています。特に、高額な物件への需要が高い地域では、相対的な物件の取得意欲が衰えていないことが伺えます。
銀行の金融政策と今後の見通し
中古マンションや戸建住宅の取引はしっかりと推移しており、成約価格の上昇も続いています。日銀による追加的な利上げにより、住宅ローン金利は上昇傾向にありますが、金融機関の中には借入金利を低位に抑えているところも見受けられます。そのため、特段の金融政策の変更が無い限り、近畿圏における中古住宅市場は今後も安定した動きを保つ見込みです。
このように、近畿圏の不動産市場は中古住宅の成約価格の上昇を背景に、安定的な成長が続いている状況です。今後の市場の動向に注目しつつ、これからの投資や購入のタイミングを見極めていく必要があるでしょう。特に、大阪市や京都市のような価格の高いエリアでの動向は、非常に重要な指標となります。