AIを活用した建設業界の新たな取り組み
株式会社LIFEFUNDが推進するAI活用の取り組みが注目を集めています。特に、社員自らが事例を発表する「AI事例共有会」は、現場からの知見を集めて全社の共有知識とする新たな試みであり、建設業界にとって画期的なステップとなっています。
AI活用の現状
建築・建設業では、AIの導入が個人の利用から組織全体での活用にシフトしています。2023年3月の「建築AI経営実態調査」では、特定部署以上でAIを活用する企業が43.4%から68.5%に増加したことが報告されています。しかしながら、AI活用に関する経営者の悩みも変化しています。「何から始めれば良いか分からない」という声は少なくなった一方で、「活用できる社内人材がいない」との声が増えており、今後は人材育成と効果の定量化が焦点になります。
こうした中、LIFEFUNDが創設した「AIアンバサダー研究会」では、AIの教育と実践を通じて社員を育成し、知識を共有することを狙いとしています。
AI事例共有会の導入
2026年7月10日に、同社ではAI事例共有会を実施し、従来の「社長が教える講座」から「社員同士が発表する事例共有会」へと形式を変更しました。これは、AIの活用を社内全体に広めるための一環であり、参加者は自らの実践例をもとに情報を共有します。発表形式は双方向のスタイルで、質問を受け付けながら進行されるため、社員同士のコミュニケーションも活発です。
会の進行は、各部署のマネージャーによるAI活用の報告から始まり、その後に具体的な事例が3件発表されます。各発表後には質疑応答の時間が設けられ、理解を深める機会が提供されます。
事例の具体的な紹介
事例共有会での発表内容は多岐にわたります。以下にその一部を紹介します。
発表事例①:工程作成の自動化
建設課の現場監督が発表したのは、着工日から150日の工程を自動で組む仕組みです。Geminiを用いて、着工日を入力することで木工事の完了日やクリーニング日を逆算し、自動で工程を作成するものです。これにより、効率的な工程管理が実現され、新人でも作業を安心して行える環境が整います。
発表事例②:予約対応の自動化
マーケティング課では、集客管理表への手入力作業をAIで自動化する事例が紹介されました。AIを使うことで、問い合わせのステータスや流入経路をこれまで手作業で行っていた工程を大幅に短縮しました。AIは実際にデータを入力するのではなく、依頼書を作成するサポート役として活用され、リスク管理にも配慮されています。
発表事例③:商談録音のデータ化
住宅営業の担当者は、商談の録音を自動でデータ化する仕組みを紹介。録音をした後、Googleカレンダーに照らし合わせてファイル名を自動付与し、Googleドライブに保存する仕組みです。この取り組みにより、商談後の事務作業が大幅に削減され、営業活動の効率化が進んでいます。
社長総括と今後の展望
最後に白都卓磨代表取締役からの総括があり、AIの効果は実務に基づいた判断によって決まると強調されました。経験豊富な人材こそが“AI黄金世代”と呼ばれ、実務に活かせる知識を持つことが重要だと述べられました。また今後は、実際に参加者がAIを実装する「ハンズオン形式」の会を実施する方針も打ち出されました。
まとめ
LIFEFUNDの取り組みは、AIを社内で効果的に活用するための成功事例です。社員が主役となる事例共有会を通じて、知識の共有と人材育成が促進されることは、建設業界全体のAI活用に向けた大きな推進力となるでしょう。今後の展開に期待がかかります。