マクロミルとテックドクター、協業で新たな研究支援パッケージを開発
株式会社マクロミルと株式会社テックドクターが、新たに協力体制を構築しました。この協業は、食品試験におけるオンライン化の進展とウェアラブルデバイスから得られるデータの活用を目指しており、特に女性特有の健康問題や睡眠に関連する研究支援に焦点をあてています。
協業の背景
最近、健康寿命を延ばすための未病や予防領域への関心が高まり、機能性表示食品市場は拡大を続けています。特に、女性の健康や睡眠に関する問題への需要が増加し、企業がこれに対応するために臨床試験を実施する必要性が急増しています。
しかし、不定愁訴に関する臨床試験では、参加者の状態や変化をリアルタイムで把握することが求められています。そのため、データ取得の充実化や被験者確保の難しさが課題となっています。これらを解決すべく、マクロミルは自身の広範な被験者基盤とスムーズなアンケートシステムを活用し、テックドクターはウェアラブルデバイスのデータを駆使して臨床試験を支援することに合意しました。
マクロミルの強み
マクロミルは、2021年にライフサイエンス事業を開始し、130万人以上の被験者基盤を生かした研究支援を行っています。柔軟なアンケートシステムを通じ、様々な意識データを取得し、高度に分析することで食品分野の臨床試験をサポートしてきました。
特に最近では、不定愁訴領域における臨床試験の需要に応えるべく、リアルタイムでデータを集めるためのオンライン化が進行中です。
テックドクターの技術
テックドクターは、ウェアラブルデバイスから得られるデータの取得、可視化、解析に関する技術が強みです。これにより健康状態を推定し、デジタルバイオマーカーの開発など、食品分野の研究を支援しています。これまで医療分野で培った技術を、食品関連の臨床試験にも応用することで、より広く社会に貢献することを目指しています。
今後の展望
この協業を通じて、全国130万人の被験者から得られる意識データと、リアルタイムかつ連続的な生体データの統合的な取得が可能となります。これにより、企業が消費者の声をしっかりと捉えて研究を進める手助けをすることが期待されています。
両社は、短期的にはPMSや更年期、睡眠などの不定愁訴領域に特化した臨床試験パッケージを開発し、提供する予定です。また、ウェアラブルデバイスのデータを利用したことがない企業にもトライアルサービスを提供し、新たな可能性を探っていきます。
中長期的には、食品試験に関する共同研究を進め、ウェアラブルデバイスデータとアンケートデータを組み合わせた独自指標の開発を目指します。この取り組みにより、臨床試験の支援サービスの価値を高め、より多くの企業や消費者に貢献していく考えです。
まとめ
この協業は、いわばデータを融合し、生活者の健康に寄与する新たな取り組みと言えるでしょう。マクロミルとテックドクターは、それぞれの強みを生かしつつ、健康寿命の延長を社会全体に広めていくため、多様な食品試験の革新を推進していくのです。