ゲランと李禹煥の出会い
フレグランスの名門、【ゲラン】が、現代美術の巨匠・李禹煥(リ・ウファン)とのコラボレーションにより、2025年に登場する特別な作品〈エクセプショナルピース 李禹煥〉。1828年の創業以来、ゲランは芸術との密接な関係を築き上げてきた。その伝統は現在も色濃く受け継がれ、毎年新たなアーティストとのコラボレーションによって素晴らしい芸術作品が生まれている。
今回のプロジェクトでは、李禹煥がメゾンに伝わるアイコニックなフレグランスボトル〈クアドリローブボトル〉を再解釈し、ゲランの調香師デルフィーヌ・ジェルクとの対話から誕生したフレグランス〈スヴニール ドルキデ〉を発表する。この新たな作品は、香りとアートの魅力を融合させ、リ・ウファン自身の独自の視点を反映したものとなっている。
李禹煥のアートへの探求
李禹煥は、1970年代以来、独自のアートスタイルで国際的な評価を得ているアーティストである。彼は自然、芸術、そして人間の意識との間に存在する力学を探求し続け、作品に反映させている。彼の作品は常にシンプルでありながら、深い内省を促すものである。彼は「私の絵は完全な構図でもなく、空間との関係を表現するもの。」と語るように、鑑賞者との対話を重視している。
李禹煥の手法は、アクリル顔料を多層的に重ねるもので、鑑賞者を瞑想的な思索へと誘う。彼の描く長方形は微妙な不完全さを備え、単なる形状を超えて空間との関係を築いている。特に彼が強調するのは、描かれた部分と描かれていない部分のバランスである。この構図から生まれる感情的な対話が、李の作品の魅力の一端となっている。
ゲランの伝統と革新
エクセプショナルピースには、確固たる歴史を持つゲランのフレグランスボトル、クアドリローブが選ばれた。このボトルは、古い薬瓶からインスパイアを受け、1908年に初めて製作された。多面的なフォルムと4枚の葉を象ったキャップは、そのデザインの先進性を物語っている。110年以上の時を経てもその魅力が色あせないのは、まさにゲランの技術と芸術性の賜物である。
細部にわたる製作過程
今回のボトルを手がけるのは、フランスの老舗陶磁器メーカー、ベルナルド。リモージュの伝統工芸を受け継いだこのメーカーが作り出すクアドリローブボトルは、160年以上の歴史を背景に持つ。製作過程は非常に精緻で、石膏の型を使い粘土液を流し込み、980℃で焼成し、仕上げに1400℃で本焼きする。こうして完成したボトルは、ただの容器でなく、土と火による対話の結晶として芸術作品となる。
李禹煥の色彩と香りの統合
エクセプショナルピースのボトルには、李禹煥の代表作「Dialogue(対話)」シリーズからエクスクルーシブな緑のバージョンが描かれ、彼自身の緑に対する異常な選択は、自然や再生を象徴するものである。この緑は、環境への取り組みにおいてメゾンと共鳴する。また、日本においても緑は永遠の生命を象徴する色として根付いている。
新たな香りの体験
李禹煥とデルフィーヌ・ジェルクのアートと香りの融合によって生まれた〈スヴニール ドルキデ〉は、アクアティックでムスキーなフローラルの香りを持つ。李が幼少期に親しんだ山々と蘭にインスパイアされたというこのフレグランスは、繊細な香りと深いミネラル感を併せ持つ。各層の香りが絶妙に重なり、特にモスノートとマリンアコードが山の清らかさを想起させる。
この特別なフレグランスは、7,744,000円(税込)という価格ながら、香りとアートの融合は心を魅了する体験を提供する。
公式オンラインブティックでの購入も可能で、興味のある方はぜひチェックしてみて欲しい。