生成AIが活用する特別養護老人ホームのレクリエーション活動

近年、介護施設においても最新のテクノロジーを取り入れる動きが進んでいます。NTT東日本、立教大学、フロンティアなどの5者は、2019年からAI技術を活用した「介護AIプロジェクト」を立ち上げ、介護と福祉の現場における新たな取り組みを推進しています。特に、このプロジェクトでは、生成AIを用いた楽しいレクリエーションの実施が一つの目標として掲げられています。

2024年9月1日、東京都豊島区のフロンティア池袋ほんちょうの郷において、特別養護老人ホームに入居する高齢者を対象にした敬老祝賀会を行いました。このイベントの特色は、生成AIやICT技術を駆使し、入居者とその家族、職員とのコミュニケーションをより活性化させることを目指したレクリエーションでした。具体的には、過去の思い出の写真をカラー化や高解像度化し、さらにそれを動画にするという活動が行われました。

この日のイベントでは、古い写真を蘇らせる試みが行われ、参加者からは「懐かしい」「昔はこんな風景があった」「今はどうなっているんだろう」といった声が上がり、和やかな雰囲気が漂いました。レクリエーションの企画者は、AIが提供する新しい楽しみが利用者の心に生きがいをもたらし、笑顔の循環を生み出すことに期待を寄せています。

今後の展望として、NTT東日本とそのパートナーたちは、本実施を通じて得られたデータをもとに、介護福祉分野でのAI技術の実用性を再評価し、全国的な高齢化社会における新たなソリューションを検討する予定です。このような取り組みは、地域自体の課題解決や活性化にも寄与することが期待されています。

今回の実施は、単なる技術の導入にとどまらず、入居者の心に寄り添った新しい生活の提案とも言えます。介護現場におけるデジタル活用がどのように進んでいくのか、今後の動向が注目されます。地域の福祉を支え、高齢者の生活の質を向上させるために、今後もこのような活動が続いていくことが重要です。