デフフットサルの未来を拓く!東京都での指導者研修に密着取材
東京都中央区で行われた「スポーツ指導者養成セミナーフォロー研修」は、デフサッカーおよびデフフットサル女子の監督と選手が講師を務める貴重な機会となりました。この研修に参加したのは、約20名のスポーツ指導者たちで、彼らは聴覚障がい者への指導方法について、豊富な知識や体験を得ることを目指しました。
研修の背景と趣旨
本セミナーは、2025年に東京で開催される「東京2025デフリンピック」に向け、障がい者や共生社会への理解を深めることを目的としています。デフフットサルは、聴覚障がい者のためのフットサルであり、競技中は補聴器の使用が禁止されています。このため、アイコンタクトや手話を通じてのコミュニケーションが不可欠です。
講師を務めたのは、ケイアイチャレンジドアスリートチームの監督である山本典城氏と、選手の岩渕亜依さん。彼らはデフフットサルの普及だけでなく、聴覚障がい者との関わり方について深く掘り下げました。
山本監督のアプローチ
山本監督は、試合中に声で指揮することが難しい点を踏まえ、撮影した試合映像を活用する方法を紹介しました。実際のプレイを振り返ることで、選手たちは次回の試合の戦術や改善点を理解しやすくなります。このような工夫は、デフフットサルにおける聴覚障がい者への指導において非常に重要です。
岩渕選手のメッセージ
岩渕選手は、自身が健聴者であるチームメイトとともに活動している経験を基に、参加者に向けて具体的な指導方法などを伝えました。彼女は、「聴覚障がい者は身体的には何の障害もないため、耳が聞こえる人々と一緒に活動することが多い」と述べ、障がいがある人々との関わり方についての重要性を強調しました。
「コミュニティに聴覚障がいのある選手が加わる際に、どういった工夫ができるのかを考えてもらえれば」と語る姿からは、彼女の経験に裏打ちされた真剣さが伝わってきました。
デフフットサルのリアル
デフフットサルの競技中は、選手たちはコミュニケーションのすべてを感覚に頼る必要があります。山本監督と岩渕選手の話には、その体験からくる貴重なアドバイスが詰まっていました。また、岩渕選手は、聴覚障がい者が直面する様々な課題とその解決方法を参加者に伝え、少しでも役立ててもらうことを願っています。
ケイアイチャレンジドアスリートチームの取り組み
ケイアイチャレンジドアスリートチームは、「日本一挑戦するアスリートチーム」を理念に掲げ、障がいを乗り越えながらもさらなる高みを目指す仲間たちです。現在9名が所属し、デフフットサルやデフサッカー、その他のパラスポーツで活躍しています。
このチームは、障がい者スポーツの認知向上のために、地域社会と連携し、体験会やイベントを通じて啓発活動を展開しています。この取り組みは、障がい者との共生を深め、全体のスポーツ文化をより豊かにする一助となっています。
結論
本セミナーは、障がい者スポーツの理解を深める重要な場であり、聴覚障がいのある選手も活躍する場を広げる努力が続けられています。今後、デフフットサルがさらなる発展を遂げ、多くの人に愛されるスポーツとなることが期待されます。