新たな寄付の形態としてのクラウドファンディング
昨今、ロシアによるウクライナ侵攻が長引く中、避難者への支援はますます重要な課題となっています。この状況を受けて、一般社団法人戦災復興支援センター(WDRAC)が新しい試みとして、クラウドファンディングスタイルの寄付を開始しました。これはWDRACにとって初めての取り組みであり、寄付者が具体的なプロジェクトに対して支援を行うことが可能になります。
アンサングヒーローたちの新たな活動
現在、WDRACが支援するアンサングヒーローたちの活動は変化を遂げています。これまでの短期的な支援から、より長期的な視点で避難者に寄り添った活動へとシフトしています。このクラウドファンディングは、そのような活動を具体的に支えるためのものです。
第一弾として、ルーマニアでNotorious Learning Project(NLP)の代表を務めるパトリッチア・クドーを支援します。彼女はウクライナから避難してきた人々に対し、基本的な生活を送るための食料や住居の提供を行い、これまでに約14570€(約200万円)の支援を受けています。
NLPの公式ページでもその活動の様子を見ることができます。
心のケアと学びの場の提供
パトリッチアは、避難者の生活基盤を整えるだけでなく、心のケアにも力を入れることを決心しました。彼女は追加でセラピストを雇い、避難生活におけるメンタルヘルスをサポートしています。また、子供たちが学校に通うことができない現状を受け、ボランティアスタッフを募り、学びの機会を提供する活動も始めています。
さらに、NLPのセンターは新しい施設に移転し、目的別にフロアを分けて使えるよう日々改装が進められています。
280万円の寄付を目指して
今後のクラウドファンディングの目標は、まずは280万円の寄付を集めることです。集めた資金は、パトリッチアの活動を6ヶ月間支えるために使われます。具体的な費用は以下のようになります。
- - センターの家賃:2200€/月
- - 光熱費:400€/月
- - セラピストや教育ボランティア雇用費:400€/月
合計で、3,000€/月が必要となり、6ヶ月分で18,000€が目標額となります。クラウドファンディングは7月15日が期限で、寄付者にはパトリッチアからの感謝のメッセージを含んだサンクスメールも送られる予定です。
WDRACの今後の展望
今回のクラウドファンディングは、WDRACがこれから取り組んでいくであろう他のアンサングヒーローたちの活動においても適用されていく予定です。寄付者が支援先を選び、具体的な思いを持って寄付ができる仕組みを整備することで、透明性のある寄付の実現を目指します。
クラウドファウンドページで詳細がご覧いただけます。
WDRACとは
一般社団法人戦災復興支援センター、通称WDRACは、2022年に設立され、「支援する人たちを支援する」というテーマのもと、国際紛争による被害や避難者支援に取り組んでいます。
公式HPはこちらから寄付を行うことができ、寄付金の約93%が直接支援に使われ、運営費はわずか7%に抑えられています。寄付スタイルも多様に取り揃えられ、サブスクリプション制や行動での支援も推進されている点が特徴です。
WDRACの活動には現地のニーズに応じた柔軟な対応が求められており、今後もより多くの支援を届ける仕組みが期待されています。今回のクラウドファンディングが、その第一歩となることは間違いありません。