戦後80年を見つめて
株式会社メニコンによる童話朗読会「ブレイブ-眠りについた爆弾-」が、2025年10月25日(土)に名古屋市のメニコン シアターAoiビルで開催されます。このイベントは、不発弾をテーマにした物語で、戦争や平和について考える良い機会を提供します。
この物語は、不発弾を擬人化し、その心の葛藤を描いています。戦争を体験した人々が年々少なくなる中、ブレイブは新世代に向けて平和の重要性に目を向けさせます。公演は、幼児や子供たちを対象とし、朗読会形式で行われるため、参加しやすいのが魅力です。
2024年、名古屋市内では6発の不発弾が見つかりました。その中の一つは、名古屋市東区の布池教会の敷地内から発見され、撤去作業が行われるなど、地域における戦争の影響は今もなお色濃く残っています。そのため、ブレイブはこうした出来事からインスピレーションを受けて制作されました。
名古屋市では、「なごや平和の日」を定め、戦争体験を後世に伝えるための様々な取り組みが行われています。今回の朗読会も、その活動に寄与するものとして位置づけられており、公演会場には名古屋空襲の解説パネルが設置されます。これにより、訪れた人々が歴史を学びながら、平和の尊さを感じることができるでしょう。
また、メニコンの創業者である田中恭一が戦時中に学徒動員として軍需工場での経験を得たことが、のちのコンタクトレンズ製造に活かされたことなど、メニコンの歴史と戦争の関連性についても触れられています。
公演の基本情報
- - タイトル:「ブレイブ~眠りについた爆弾~」
- - 朗読と音楽で綴る、ある“爆弾”の心を覗く物語
- - 原作:あおい英斗
- - 作曲:宗川諭理夫
- - プロデュース:楠部享子
- - 開催日:2025年10月25日(土) 11:45開演/13:15開演/14:45開演
- - 会場:メニコン シアターAoiビル 1階ロビー
- - チケット:観覧無料、事前予約不要
- - 出演:加藤恵利子(ソプラノ)、岩間美奈(マリンバ・パーカッション)
- - 主催:メニコンビジネスアシスト(MBA)イベント・クリエーション部
- - 特別協賛:株式会社メニコン
- - 協力:名古屋市
- - 後援:名古屋市教育委員会
あらすじ
物語は、第二次世界大戦中にアメリカで製造された“不発弾”のブレイブを中心に展開します。心優しいブレイブは、自分が戦争兵器として存在することに恐怖を抱き、そして自分の存在意義を見失ってしまいます。ある日、ブレイブは日本の街へと投下されます。彼は、自身の運命と向き合うことになるのです。
この朗読会は、ただの物語の発表ではなく、戦争の記憶を呼び起こし、平和についての深い思索を促す一つの試みです。
限定のアート
挿絵は、愛知万博20周年記念事業での作品を手掛けた酒井敦美氏による「光の切り絵」で表現されます。これはブレイブの心の世界を映し出す重要な要素となります。
メニコンは、地域のまちづくり活動団体「葵地区エリアマネジメント協議会」と共催で、この公演を「葵マチアージュ2025」の一部として位置づけています。
この特別なイベントを通じて、私たちが未来に向けてどのように平和を築いていくべきかを考えることができる機会となることを目指しています。