劇団俳小、『血の婚礼』を2025年に上演
劇団俳小が2025年3月5日から10日まで、東京都世田谷区の駅前劇場でガルシア・ロルカの名作『血の婚礼』を上演します。この作品は、時代と社会が持つ伝統的な因習に立ち向かう個人の苦悩と自由の願いを描いた深い内容を持ち、観客に心に響くメッセージを届けることでしょう。
上演の背景
『血の婚礼』は、スペイン内戦前の1932年に書かれたもので、個人の自由と変革への情熱が社会の伝統とどう対立するかをテーマとしています。特に、現代社会が抱える多様なハラスメントやモラルハザード、ジェンダーやセクシャリティーにまつわる問題が描かれ、今なおその意義が色褪せることはありません。観る者に新たな視点を提供する作品となることが期待されます。
また、演出には現代の演劇界で高い評価を得ている菊池准氏が加わります。彼は抽象的な表現を取り入れ、リアリズムと文学的な要素とを融合させた演出を追求しています。そして、上田亨氏による生演奏が伴うことで、観客により強い印象を与えるダイナミックな舞台が創出されることでしょう。
あらすじと内容
物語の舞台はスペインのアンダルシアの村です。結婚式を控えた花婿と彼の母は、過去の不幸な出来事に囚われています。20年前、花婿の父はフェリックス家の男たちに命を奪われ、それ以降母親はその一族を憎んでいます。そんな中、花嫁となる女性は、フェリックス家のレオナルドと過去に深い関係があったという噂が立つのです。
果たして、二人はその因縁を乗り越えられるのでしょうか。この物語は愛と憎しみ、自由と束縛の狭間で引き裂かれる人々の姿を描きます。観客は、登場人物たちの葛藤を通じて、普遍的な人間のあり方について考えさせられることでしょう。
劇団俳小について
劇団俳小は、1971年に創立され、以来多様な演劇活動を展開しています。日本の古典から現代の新作、また詩や小説を舞台に上演するなど、常に新しい試みに挑戦し続けています。その中で数々の賞を受賞し、文化庁主催の公演にも数多く参加し、演劇に新たな風を吹き込む存在となっています。
近年の公演では、特に評価の高い作品を数多く上演しており、2017年に『金閣炎上』で受賞した第17回池袋演劇祭大賞の受賞歴もあります。これまでの栄光に甘んじることなく、今後も新しい挑戦を続ける意欲的な劇団です。
公演詳細
- - 公演期間:2025年3月5日(水)〜3月10日(月)
- - 会場:駅前劇場(東京都世田谷区北沢2-11-8)
- - チケット料金:一般5,000円、夜割4,500円(夜公演のみ)。カンフェティでは特別割引も用意されています。
公式情報
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この『血の婚礼』を通じて、過去からのメッセージを今一度回想し、私たちの生きる現代社会における問題を再認識する貴重な機会となることでしょう。ぜひ皆様、お見逃しなく。