誰もが楽しめる観光を目指して
横浜市は、2027年のGREEN×EXPOに向けて、ユニバーサルツーリズムの促進に力を入れています。この取り組みの一環として、障がいの有無や年齢に関係なく、誰もが安全で快適に観光を楽しむための「ユニバーサルツーリズム研修」が開催されます。特に、観光業に携わる事業者に向けたこの研修は、観光の現場での実際の体験を通じて、参加者に必要な知識とスキルを身につけさせることを目的としています。
研修の概要
この研修は、令和7年12月5日(金)に帆船日本丸・横浜みなと博物館の訓練センター第3会議室にて行われます。研修開始は13時30分からですが、参加者は13時00分から入場できます。プログラムは、座学と体験の2部構成となっており、多岐にわたる内容が用意されています。
1.
座学研修 では、ユニバーサルツーリズムについての基本的な理解を深める「教えて!ユニバーサルツーリズム」に始まり、大阪・関西万博におけるユニバーサルツーリズムの事例を学ぶセッションがあります。さらには、補助犬の受け入れについての具体的な対応方法についても知識を深めることができます。
2.
体験研修 のセッションでは、参加者がアイマスクを使用して視覚障がい者の立場を体験し、誘導を試みることで、サポートに必要な配慮を学びます。また、実際に車いすに乗ってみたり、他の参加者を押してみることで、身体的な障壁を実感し、改善策を考える機会も得られます。
参加費と申し込み方法
研修の参加費用は、横浜市観光協会の賛助会員の場合は無料ですが、非会員の方は一人あたり2,000円が必要です。申し込みは令和7年11月21日(金)まで、オンラインの申込フォームを通じて受け付けています。この研修は、ツーリズム業界における重要な学びの場であり、実践的なスキルを身につける絶好の機会です。
講師紹介
講師は、株式会社プランニングネットワークのユニバーサルツーリズムアドバイザーである渕山知弘氏です。渕山氏は、1990年から2020年まで近畿日本ツーリスト・クラブツーリズムでバリアフリーツアーを手掛け、22年以上の経験を持つ国内の第一人者です。彼が主導した「視覚障がい者夢の自転車運転ツアー」は、第2回ジャパン・ツーリズム・アワードで優秀賞を受賞しています。
心のバリアフリー認定制度
この研修を通じて得られる知識は、観光施設の「心のバリアフリー認定制度」にも繋がります。この制度は、観光庁が実施しており、特にソフト面でのバリアフリー対応や情報発信に努める観光施設を認定します。横浜では、22か所の宿泊施設、飲食店、観光案内所がすでに認定を受けており、これにより高齢者や障がい者が安心して利用できる環境が提供されています。
まとめ
横浜市が推進するユニバーサルツーリズムの取り組みは、今後の観光業界全体において必要不可欠な意義を持っています。この研修を通じて、私たちが観光の現場で直面する課題を認識し、いかにして全ての人々が利用できる観光を実現できるか、一緒に考えていきましょう。