新製品で妊娠率向上
2023-05-15 15:00:01

不妊治療の新時代へ!妊娠率向上を目指す新製品誕生

不妊治療に革命をもたらす新製品の登場



2023年5月15日、株式会社北里コーポレーションが新たな卵子および受精卵のガラス化液凍結液「VT525」とその融解液「VT526」を発売しました。この製品は、世界的に著名な不妊治療機関である加藤レディスクリニックが研究、開発したもので、卵子や胚の凍結保存に利用される試薬です。

妊娠率向上の秘訣


今回の新製品の特筆すべきポイントは、ガラス化液に新たに脂肪酸を加えることで、着床率と妊娠率を高める効果が実証されたことです。体外受精においては、卵子や受精卵を一時的に凍結保存し、最適なタイミングで胚移植を行います。これによって妊娠率を上げる凍結プログラムが実現します。株式会社北里コーポレーションは2000年から、超急速ガラス化法を用いた卵子および受精卵の凍結保存試薬や保存機器の開発を行い、高い生存率を確保するための取り組みを続けてきました。

新製品は、従来の技術を維持しつつ、脂肪酸を追加することで、融解後の胚の着床率や臨床妊娠率を有意に改善したとされています。これは、科学的な研究に基づくものであり、今後の不妊治療における重要なステップとなるでしょう。

不妊の現実


国際的な調査によると、成人の約17.5%が不妊を経験しているとされています。体外受精や顕微授精などの生殖補助医療を利用する出生児の中でも、約90%が凍結融解胚移植によるものであることが、2020年の日本産科婦人科学会のデータより報告されています。凍結融解技術のおかげで、子宮環境を最適化した後に胚を移植することが可能になるため、妊娠率向上や流産率の低下が期待できます。

さらに、複数の卵子を一度の採卵から得ることができるため、治療にかかる負担の軽減にもつながります。

企業の思い


株式会社北里コーポレーションは、1%でも妊娠率が向上するように製品開発に取り組んでおり、社会に貢献する企業を目指しています。生殖医療の未来を切り拓くための技術の開発を続けており、この新しい卵子および胚のガラス化液の発売は、その一環となります。

これからも不妊治療の技術が進化していく中で、多くの人々が希望を持って新たな一歩を踏み出せることを願っています。期待される新製品の効果については、今後の臨床データをもとにさらに明らかにされていくことでしょう。

参考文献


1. Amagai et al. Fatty acid supplementation into warming solutions improves pregnancy outcomes after single vitrified-warmed cleavage stage embryo transfers., Reprod Med Biol. 2023;22:e12517.
2. Infertility, World Health Organization.
3. 日本産科婦人科学会 日産婦誌74巻 9号, 2020年分の体外受精・胚移植等の臨床実施成績に関する報告書。

日本の不妊治療の歴史において、一つの重要なマイルストーンとなるであろうこの製品に、多くの期待が寄せられています。

会社情報

会社名
株式会社北里コーポレーション
住所
静岡県富士市柳島100番地10
電話番号
0545-65-7122

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