日本初の核融合エネルギー実用化が近づく！合同開発で未来のエネルギーを切り開く

核融合エネルギー実用化の新たな展望

日本発の革新的企業、株式会社Helical Fusion（ヘリカルフュージョン）が、業界の巨人である東芝エネルギーシステムズと基本契約を締結し、フュージョンパワープラントの実現に向けた重要なステップを踏み出しました。本契約により、両社は高温超伝導コイル（HTSコイル）の核となる電流リードの共同開発を行い、これが核融合エネルギーの実用化の加速につながることが期待されています。

Helical Fusionとそのプロジェクト

Helical Fusionは、日本の最新鋭の核融合炉「Helix KANATA」を開発中であり、2030年代中の稼働を目指しています。このプロジェクトは「Helix Program」と呼ばれ、安定した発電と効率的なメンテナンスを実現することが求められています。核融合エネルギーは、CO2を排出せず、高効率なエネルギー源として、持続可能な社会の実現に寄与する可能性を秘めています。

高温超伝導技術の重要性

本契約の中核となるHTS技術は、Helical Fusionが開発する高性能な磁場生成コイルにおいて不可欠な存在です。これに関し、東芝ESSは、数々の核融合実験装置の設計や製作で培った専門知識を提供します。特に、量子科学技術研究開発機構のJT-60SAや大型ヘリカル装置（LHD）などのプロジェクトでの実績が期待されます。

共同開発の内容

この共同開発によって、Helical Fusionは自社のHTSケーブル技術と東芝ESSの電流導入部の設計技術を融合させることを目指しています。具体的には、安定的に大電流を供給するための電流リードを開発し、これがフュージョン装置による実用発電に不可欠な小型で高出力の磁場生成システムを早期に実現させることになります。

脱炭素社会への貢献

Helical Fusionの代表取締役CEOである田口昂哉氏は、HTS技術の確立が核融合装置だけでなく、医療や宇宙産業にも波及効果をもたらすと語ります。それにより、脱炭素社会の早期実現に向けた技術確立と、日本の産業競争力の強化が進むことが期待されています。

株式会社Helical Fusionのビジョン

株式会社Helical Fusionは、商用核融合炉の開発を通じて、持続可能なエネルギー社会の構築を目指しています。高効率かつ安定的な供給が可能な核融合エネルギーは、21世紀の環境問題解決の鍵となる技術です。また、社内の専門家チームは、核融合に関する豊富な研究背景を持ち、プロジェクトの成功に向けた強力な基盤となっています。

今後の展望

Helical Fusionは、今後も研究開発を進め、2025年にはスタートアップ支援プログラム「J-Startup」に選出されています。これにより、技術革新と産業界への影響をさらに広げていくことでしょう。また、フュージョンエネルギーの実用化に向けた新しい潮流を、国内だけでなく国際的にも広げていくことを目指しています。

このように、Helical Fusionと東芝ESSの共同開発は、未来のエネルギーの形を模索する中で重要な意義を持っています。両社が力を合わせて進めるプロジェクトは、核融合エネルギーの商用化に以前にも増して近づくことでしょう。