アメリカ海軍が挑む異形の怪獣映画
株式会社竹書房が、2025年10月27日にジェイムズ・モロウ著、内田昌之訳による新作『ヒロシマめざしてのそのそと』を出版することを発表しました。この作品は、特撮映画と歴史が融合した、非常にユニークなストーリーです。
あらすじの紹介
この物語は、第二次世界大戦中、アメリカ海軍が進める極秘計画に着目しています。主人公シムズ・ソーリーは、B級モンスター映画のスターで、彼が受けた仕事は驚くべきものでした。アメリカ海軍から巨大トカゲの着ぐるみを着て、日本に圧力をかける役割を果たすというもの。海軍は、巨大な炎を吐くトカゲ「ベヒモス」を本物として見せるために、このスーツアクターを必要としていたのです。
しかし、この全長400メートルという怪獣は、コントロールが非常に難しい存在でした。海軍の苦肉の策として、シムズは全力でベヒモスを演じ、日本の外交団にその姿を見せることになりました。一見荒唐無稽に思えるこの設定には、深い愛と人類へのメッセージが隠されています。
この作品はシオドア・スタージョン記念賞を受賞しており、単なるエンターテインメントにとどまらず、戦争の影を映し出す深いテーマが含まれています。
作家と訳者について
ジェイムズ・モロウは1947年にフィラデルフィアで生まれ、風刺と宗教をテーマにした数々の作品で評価されています。彼は1981年にデビューし、以来数々の賞を受賞。その中にはネビュラ賞や世界幻想文学大賞も含まれます。
翻訳を手がける内田昌之は、1961年生まれの翻訳者で、多くの著名な作品を日本語に翻訳しています。彼の力量により、モロウの独特な世界観が日本の読者に届けられることでしょう。
書籍情報
『ヒロシマめざしてのそのそと』は、四六判で256ページから構成され、予価は2,400円(税別)です。書店で手に取ることができる日を楽しみにしたいところです。
まとめ
怪獣映画と歴史が交錯する新たな文学作品『ヒロシマめざしてのそのそと』。アメリカ海軍の奇想天外な計画に挑むシムズの姿は、一見コミカルでありながらも、深いメッセージに満ちています。この作品を通じて、我々が今後どのように歴史を向き合うべきかを考えさせられます。戦争や人類に関する重いテーマを扱ったこの作品は、私たちにとって重要な一歩となるでしょう。