エバ工業、CADDi導入で製造業のデジタル変革を促進
エバ工業株式会社は、製造業の無人化・自動化に向けた取り組みを進める中、キャディ株式会社が提供する製造業向けAIデータプラットフォームCADDiの導入を発表しました。この技術は、過去の設計データや知識を社内全体で共有し、業務の効率化と技術継承を実現するための重要なツールとして位置付けられています。
課題と導入の背景
エバ工業は、一品一様の受注生産を行い、その競争力を維持するためには高い技術力が不可欠ですが、長年にわたって技術の伝承や業務の効率化に取り組む必要がありました。特に、設計業務ではベテラン社員の記憶に依存する状況が続いており、担当者が不在の場合の情報検索が難しく、設計プロセスが長引く原因となっていました。
さらに、日本本社とベトナムにある設計部隊との連携においても、多くの資料を日本側が準備する必要があり、途切れたコミュニケーションが問題となっていました。これらの課題を解消するために、エバ工業は過去の設計資産を全社の共有財産として扱う必要性を認識しました。
CADDiの導入効果
CADDiの導入によって、エバ工業は業務プロセスの根本的な変革を遂げました。特に、ベトナム拠点からの活用が進み、過去の技術データを迅速に検索できる体制が整いました。この結果、設計チームの生産性が向上し、ベトナムの拠点が独自に類似案件情報を探し出し、設計を進めることができるようになりました。設計業務において「CADDiなしではできない」という声も上がるほど、知識基盤が確立されました。
これにより、国境を越えた連携がシームレスに進み、海外拠点の士気も向上しています。また、技術継承や人材育成の面でも、過去データの活用により若手人材の即戦力化が促進され、育成期間が大幅に短縮されました。
担当者のコメント
エバ工業の技術部フェローである出口徳夫氏は、「設計者の記憶に依存していたこれまでの業務が、CADDiの活用により検索を介してスムーズになった」と述べています。また、技術部長の早川友輔氏も、ベトナムの設計部隊が早期にメリットを実感し、積極的な活用が進んでいることを強調しています。
今後の展望
CADDiの導入で生産性や即戦力化が進む中、エバ工業は少人数で1.2倍の案件を処理できる体制を整えています。さらに、長期目標である「ビジョン2035」を掲げ、営業や設計にとどまらず、製造現場などの他の部門への活用を進める意向です。
このようにエバ工業は、技術のグローバル化と継承を進め、製造業の未来を切り開く道を模索しています。今後もエバ工業の挑戦とその成果に注目が集まることでしょう。
詳しい導入事例は
こちらをご覧ください。
CADDiについて
CADDiとは、製造業のエンジニアリングチェーンやサプライチェーンにおけるデータを解析し、関連付けることで、意思決定を高度化するAIプロダクトです。製造業のデジタル変革を背景に、キャディ株式会社は、日本国内外の製造業界で活用が期待されています。