新しい衣服購入体験の創造へ向けて
株式会社ZOZO NEXT、東京大学大学院、そしてクラスター株式会社の3者が、新しい市場の可能性を開く共同研究を開始しました。この研究の焦点は、衣服の着心地を数値化し、EC(電子商取引)を通じてユーザーが好みに合った商品を見つけやすくする仕組みの開発です。2024年12月より研究が始まるこの取り組みは、ファッションの購入体験に革命をもたらすことが期待されています。
共同研究の背景
従来、衣服を店舗で購入する際は、実物に触れることでその質感や着心地を体感できました。一方で、ECサイトでは、商品の画像や生地の説明、さらにはレビューを参照することが主な情報源となり、顧客は実際の着心地を想像するしかありません。これが、期待はずれの購買体験につながることも少なくありません。
そこで、ZOZO NEXTと東京大学で蓄積されたデータと技術を最大限に活用し、衣服の触感を数値化する仕組みを開発することを目指すのです。クラスターの視触覚データ取得技術も加わり、新たなAIシステムを構築することで、この課題に立ち向かいます。
研究の目的と期待される成果
この共同研究では、AIを利用して衣服の触り心地を認識させることが主な目的です。北岸氏は、「衣服の触り心地は生活を豊かにする重要な要素」と述べ、AIがこの感覚を把握できるようになれば、ユーザーが理想の衣服を簡単に見つける手助けができると期待しています。
さらに、研究を通じて機械学習技術や新たな情報入出力手法が開発され、ユーザーが好みに合った商品をスムーズに探せるシステムが実現されるでしょう。この結果、オンラインでの購買体験の質が大幅に向上し、ファッションへの愛着も育まれることが期待されています。
共同研究チームの役割
このプロジェクトは、3つの異なる領域からの専門家が集結し、それぞれの強みをフルに活かす形で進められます。東京大学の暦本研究室では、人間とAIの融合による新たな可能性を探求するとともに、身体感覚や認知能力の拡張に寄与します。クラスターは、メタバースの文脈で衣服の体験を革新し、視触覚融合によるデジタルファッションの体験を提供することを目指しています。これらの要素が組み合わさり、ユニークな衣服購入体験が創出されるでしょう。
研究者のビジョン
暦本氏は、感覚の数値化が衣服のデジタル体験において重要であると指摘しました。メタバースの進化に伴い、人々はデジタル空間で 自己表現を楽しむための衣服に対しても新たな期待を寄せています。本研究が成功すれば、単なる買い物以上の価値を提供し、新たな時代のファッションを切り拓くことができるでしょう。
このような研究が進展することで、ユーザーは今後、いつでもどこでも自分に合った「着心地」を持つ衣服を選ぶことができるかもしれません。
まとめ
この新しい共同研究は、ファッション業界におけるECの未来を変える可能性を秘めています。ZOZO NEXT、東京大学、クラスターの各社が結集した力で、衣服の着心地の計測と数値化という未踏の地を切り拓くことを期待しています。2024年12月からの実施が待たれるこのプロジェクトは、私たちの衣服購入体験に革新をもたらすことでしょう。