絶滅危惧淡水魚を守る企画展「Save the淡水魚」開催中!
岐阜県各務原市に位置する「アクア・トト ぎふ」は、淡水魚の魅力だけでなく、その危機としての姿も伝える場所です。現在、同施設では「Save the淡水魚~未来へつなぐ水辺の宝~」という特別企画展を開催しており、私たち人間の生活にも関わる生物多様性の重要性を広く喚起することを目的としています。この展示では、絶滅のおそれのある淡水魚169種の中から厳選された22種が紹介されています。
淡水魚の危機的状況
環境省の2020年版レッドリストによれば、全国の汽水・淡水魚のうち約42%が絶滅危惧種という深刻な状況にあります。これは、私たちの生態系における多様性の脅威を示しています。これらの魚たちを保護し、持続可能な経済活動への移行を目指す「ネイチャーポジティブ」という国際的な目標へ、私たちも注意を向ける必要があります。
タナゴの仲間に注目
企画展では、淡水魚の一群であるタナゴに焦点を当てています。特に、環境省のレッドリストで13種が絶滅危惧種とされるタナゴの仲間たちを、幅2.7mの大型水槽を使用して展示。これにより、一般の方々が地域ごとのタナゴを一度に見ることができます。展示される16種類には、天然記念物や国内希少動植物が含まれ、詳細な解説や来館者との交流を通じて、淡水魚の魅力が探求できる貴重な機会です。
アカメとイタセンパラの保護活動
展示には、土佐湾や宮崎県沿岸に生息する「アカメ」、埼玉県に生息する「ムサシトミヨ」、琉球列島の美ら島にのみ分布する神秘のドジョウ「ヒョウモンドジョウ」などの様々な淡水魚が含まれています。そして、アクア・トトぎふは、「イタセンパラ」の生息域外保全プロジェクトにも関与し、計画的な繁殖活動を進めています。他にも水辺の清掃活動を2024年から開始予定で、地域とのつながりを大切にしながら活動を広げていく姿勢が印象的です。
未来へつなぐ淡水魚
企画展「Save the淡水魚」は、ただの展示に留まらず、淡水魚の生態系を通じて地域と環境の関係を再認識させる重要な意味を持っています。美しくて儚い淡水魚たちの存在を知り、その保護の意義を感じることで、一人ひとりが自然環境の保全に協力する気持ちが生まれることを願っています。
【企画展詳細】
- - 期間:2024年12月14日(土)~2025年4月13日(日)
- - 場所:館内1階特別企画展示スペース
- - 料金:入館料のみ
- - 展示内容:生体展示(22種約380点)
多くの方々に淡水魚の魅力を体感していただけるこの企画展に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。