高橋克徳氏の新著『静かに分断する職場』が描く職場の未来

静かに進行する職場の分断とは

株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンから、2025年3月22日に高橋克徳氏の新著『静かに分断する職場なぜ、社員の心が離れていくのか』が出版されます。これは、彼のベストセラー『不機嫌な職場』から17年を経て、現代の職場で起きている「静かなる分断」に対する批評です。

この書籍は、組織内の感情や人間関係の変化を鋭く分析し、社員同士の心の距離がどのように離れていくのかを明らかにします。また、より良い未来を築くための新たな対話手法を提案します。著者は、微妙な人間関係の中でも、どのようにして強固なつながりを育むことができるのかを考察しています。

17年の歳月を経て

『不機嫌な職場』は、職場環境が希薄になる中で社員同士の協力が難しくなっている様子を描きました。現在、同様の状況は続いており、職場における負の感情や不満さえもおざなりにされてしまっています。人々が本音を言いにくい状況や、若手社員の離職が増える中で、どのような対策が必要なのか？

「静かなる分断」の正体

高橋氏は、組織に横たわる価値観や考え方の違いが互いに形成した見えない壁となり、コミュニケーション難を招いていることを指摘します。その背景には、直接的な対立や衝突は避けられつつも、心の距離が広がる「静かなる分断」が生じているのです。職場はまさに冷戦状態にあると言えるでしょう。

新たな対話の手法

本書では、個人と組織の新しい関係の構築が提唱されます。具体的には、部下と上司、現場と経営、若手とベテランといった職場内での立場を超えた「対話」の重要性が解説されています。著者は、相互理解と協力のために必須な「本音」を引き出す方法について具体例を挙げながら述べています。

「人と組織が共に支え合い、協力できるか、あるいは互いを利用し合う関係に陥るか、選択が迫られている」と高橋氏は警鐘を鳴らします。職場の人間関係に違和感を抱いている方や、若手社員の本音が見えなくなっていると感じる管理職、理念と現場のギャップに悩む経営者にとって、この書籍は必読となるでしょう。

著者高橋克徳氏の経歴

高橋克徳氏は、株式会社ジェイフィールの代表取締役であり、経営学部の特任教授としても活躍しています。彼の組織開発や人材開発に関する手法は、実際のビジネスシーンにおいて高い効果を発揮しています。彼の著書は多く、特に『不機嫌な職場』は広く読まれ、職場環境の改善に向けた運動の一端を担いました。彼の研究が、今後のビジネスシーンにも新たな風を吹き込むことを期待しています。