エステーとKeePerが手掛ける新しいホテル浴室コーティング事業の全貌

エステー株式会社は、カーコーティングの専門企業であるKeePer技研株式会社との提携により、シティホテルやビジネスホテル向けに新たな浴室コーティング事業を始めることを発表しました。このサービスは、ホテルの浴槽や浴室を特別なガラス被膜でコーティングし、清掃業務の負担を軽減しつつ、美しい状態を保つことを目的としています。

事業開始の背景

近年、アフターコロナの影響で宿泊業界は活況を呈しており、多くの宿泊客がホテルを利用しています。そうした中、浴室清掃は依然として重労働であり、多くのホテルがスタッフの負担を軽減する方法を模索しています。通常、浴室の入れ替えや再生には数日から数週間がかかり、この間は客室を使用できないため、ホテル側にとっては大きな課題です。

そこで、エステーとKeePer技研が力を合わせ、年に一回、客室を稼働しながら短時間で施工できる新たな浴室コーティングサービスを展開することにしたのです。このサービスにより、清掃スタッフの負担が軽減され、美しさを持続することが期待されています。

浴室専用コーティング剤「お風呂キーパー」

コーティングに使用される「お風呂キーパー」は、特有のガラス被膜を形成し、水垢や皮脂、カビといった汚れを寄せ付けにくくします。施工は専用クリーナーによる前処理の後に行われ、わずか1〜2時間で浴室を再度使用可能にします。この施術により、水滴拭き上げが容易になり、また小傷を塞ぐことによって、光沢感を復活させる効果も期待できるのです。

さらに、床面が滑りにくくなるため、転倒リスクの低減にも寄与します。このコーティング剤は、浴室全体にわたって使用され、シャンプー台や壁面、シャワーヘッドなどにも幅広く対応します。

コーティングサービスの新しい提供モデル

この浴室コーティングの施工は、KeePer技術修得の認定を受けたパートナー会社によって行われ、事前に十分な研修が施されています。これにより、エステーの製品販売のみならず、業務用事業の拡大を目指すB2Bのサービスとして位置付けられています。

KeePer技研とエステーの関係

KeePer技研は、カーコーティング業界で確固たる地位を築いている企業であり、全国に多くの認定店舗を展開しています。エステーは、2012年からKeePerとの業務提携を結び、カー用品の販売を行ってきましたが、今回のホテル向け浴室コーティング事業は、新たな展開として期待されています。2027年までに売上高4億円を目指すという目標も掲げています。

加えて、エステーは過去にホテル専用の消臭ミスト「Air Forest」を展開するなど、宿泊施設向けに幅広い商品を提供しており、今後も信頼される商品とサービスの展開を進めていくという意志を示しています。

この新しい浴室コーティング事業は、宿泊業界における清掃業務の効率化と美観維持への大きな革新となることでしょう。エステーとKeePer技研が共同で手掛けるこの取り組みから、今後どのような成果が生まれるのか、注目が集まります。