アジア太平洋地域のデータセンター市場を探る
グローバル不動産サービスの巨人、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(以下、C&W)は、最新のレポート「APACデータセンター市場アップデート2024年下半期」を発表しました。この報告によると、アジア太平洋地域のデータセンター市場は、今後5年間にわたり驚異的な成長を遂げると見込まれています。具体的には、この地域におけるデータセンターインフラの整備には、約1,160億米ドルという巨額の資金が必要だとされています。
データセンターの需要が急増
現在、アジア太平洋地域では、12,452メガワット(MW)に達するコロケーションプロジェクトが進行中です。これらのプロジェクトは、既存の運用能力の3倍に相当し、特にクラウドコンピューティングやAI、大規模な機械学習モデルの需要が高まる中で、CAPEX(資本支出)は今後も増加し続けると予測されています。C&Wのアジア太平洋地域データセンターグループのリサーチ&インサイト担当責任者、プリーテッシュ・スワミー氏は、この市場の投資需要の高まりについて、時代を先取る発言をしています。
「クラウドやAIの進展によって、このセクターの投資ポテンシャルは大きく引き上げられています。特に、年平均成長率(CAGR)が20%を超えると見込まれ、多くの投資家が注目しています。」とスワミー氏は述べています。
主要な市場の集まり
報告書によれば、データセンター市場の80%は、日本、インド、オーストラリア、中国本土、マレーシアの5つの国に集中しています。特に、東京は1,656MWを誇り、アジア太平洋地域で最も強力なパイプラインを持つ都市として名を馳せています。次いでムンバイ(1,143MW)、ジョホール(1,049MW)、シドニー(783MW)、北京(613MW)が続く状況です。
これらの市場では、コスト対する利回りが上昇しており、特に都市部では投資の機会が拡大しています。アジア太平洋地域の資本市場を牽引するゴードン・マースデン氏は、データセンター開発のペースが加速していることを強調しています。
「最近の取引件数は増加しており、価格設定も明確化しています。特に日本や韓国、シンガポールでは、企業テナントやコロケーションオペレーターに焦点を当てた取引が活発です。」とマースデン氏はコメントしています。
プロジェクト別投資額
各市場の開発パイプラインと必要資本に関しては、日本が2,678MWで最も多くの投資が必要とされ、続いてインド(2,299MW)、オーストラリア(1,610MW)、中国本土(1,891MW)、マレーシア(1,319MW)がランクインしました。これらの数値は、各地域におけるデータセンターの成長見通しを示しています。
市場 | 開発パイプライン (MW) | 必要資本 (10億米ドル) |
---|
-- | ---- | ------- |
日本 | 2,678 | 35.44 |
インド | 2,299 | 16.38 |
オーストラリア | 1,610 | 15.51 |
中国本土 | 1,891 | 13.44 |
マレーシア | 1,319 | 11.59 |
まとめ
C&Wのレポートが示すように、アジア太平洋地域のデータセンター市場は、今後も急成長が期待されており、投資するべき重要な領域であることは明白です。地元および国際的な投資家にとって、この分野における資金の流入はますます増加するでしょう。今後の市場の動向に注目していくことが必要です。より詳しい情報はC&Wの公式ウェブサイトからも入手できます。さらに、2024年下半期のアジア太平洋地域データセンター市場に関する情報も、ダウンロード可能です。